犬ごはんの食材解説

【鶏ハツ】手作り犬ごはんの食材解説(犬にあげていいか?、鶏ハツを使った手作り犬ごはんレシピ、調理のポイント、栄養について)

Instagramで手作り犬ごはんのレシピや犬の健康に関する情報を発信しているリーリャ編集部(@lilya_foods)と申します。手作り犬ごはんの基本については手作り犬ごはんの作り方・レシピや注意点(量や食材、味付けなど)を解説で詳しく説明しています。
今回は、犬ごはんの食材のうち、鶏ハツについて解説します。その他の犬ごはんの食材に関する記事はこちらです。

鶏ハツを犬にあげていいか?あげる場合の注意点

鶏ハツは、適量であれば犬に食べさせても問題ない食材で、鶏レバーと同じくスーパーなどでも手に入りやすい食材です。手作りごはんで使う際は、脂肪部分をのぞいたり、切り開いて中を洗うなどの下処理がありますが、レバーよりも上限値のあるビタミンAやリンが控えめという特徴があります。脂質は多めに含まれていますが、他の食材との組み合わせ次第で、少量で不足しがちなビタミン・ミネラルが補給できる食材です。もちろん、調理の際は必ず加熱してください。ハツは弾力があるので、細かくカットした方が食べやすくなります。

鶏ハツを使った手作り犬ごはんレシピ例

鶏ハツはビタミンA、Cなどが豊富です。ビタミンAは脂溶性なので炒めると効率よく吸収できます。
またビタミンCの多いピーマンやブロッコリー、カボチャなどと一緒に摂るとさらに皮膚や粘膜の健康に効果的です。

鶏ハツとカリフラワーライス

材料

体重4kgの避妊・去勢済みの成犬の1日分を基準としています。

鶏むね肉 64g
鶏ハツ 14g
にんじん 87g
さつまいも 81g
カボチャ 70g
小松菜 64g
カリフラワー 40g
舞茸 35g
すりゴマ 8g
水 50g
(サプリメントを追加する場合)
リーリャの犬ごはん マルチビタミン&ミネラル 3.2g

作り方

下ごしらえ:小松菜とカリフラワーは下茹でします。鶏ハツは白い部分(ハツ元)を切り落とし、中心まで切り込みを入れて開きます。流水で中の血を洗い流しておきます。
※今回は、脂肪分がついているのでハツ元は使っていません。人用に炒めものなどにしてください。

①下ごしらえした材料と、そのほかの肉・野菜を計量し細かく刻みます。
②鍋に小松菜、舞茸を入れて弱火で熱します。蓋をして水分をだします。
③水分が出てきたら、胸肉とハツを入れてほぐしながら加熱します。
④さつまいも、カボチャ、にんじんを入れて混ぜ合わせ、水を入れます。
⑤蓋をして材料に火が通るように加熱します。たまに混ぜます。
⑥火が通ったら、カリフラワーとゴマを入れて混ぜ合わせたら完成です。
※サプリメントは食べる時に、一食分に必要量を混ぜてあげてください。

レシピの詳細はこちらをご覧ください。

以下のシミュレーターに愛犬の体重とライフステージを入力するとレシピの分量を何倍にすればいいのか簡単に計算できます。

ご家庭のわんちゃんの場合のレシピの分量の倍率が計算できます。

kg

小数点なしで入力してください。小数点以下の数字は四捨五入されます。

授乳期の場合は子犬の数で変化します。数字は最低限の目安なので獣医に相談してください。
シニア期は年齢の幅も広く、個体差も大きいです。シニア期の数値は初期設定の数値とし、体重・体型の増減を見て調節することをおすすめします。

レシピページの食材の分量を倍にすると1日分になります

鶏ハツに含まれている栄養素と主な効果

鶏ハツの代表的な栄養素にはリン亜鉛ビタミンAビタミンKビタミンB2パントテン酸などが含まれています。

リン

カルシウムと同様に骨や歯を作るのに欠かせません。また、DNAやRNAなどにも含まれるとともに、エネルギーの代謝にも関わっています。腎臓病用のフードにはリンが制限されていますが、これは腎臓の機能が低下すると、フィルターとしての役割が機能しなくなり、余分なリンが体内に溜まるようになります。その結果、腎臓病が悪化する要因となってしまいます。

鉄分にはヘム鉄と非ヘム鉄があり、ヘム鉄の方が吸収率が高く、動物性の食材に多く含まれます。非ヘム鉄であってもビタミンCと一緒に摂ることで吸収率がアップします。また、貯蔵鉄というかたちで肝臓や腎臓などに貯められ、足りなくなると補充されたり、運搬鉄というかたちで体内に運ばれます。

亜鉛

亜鉛は全身に分布し、体内のさまざまな代謝に関わってます。特に被毛や皮膚に多く存在するため、足りなくなると症状が出ることが多いとされています。体内の多くの酵素の働きをサポートし、炭水化物やたんぱく質の代謝にも関わっています。手作りごはんにおいては不足しやすい栄養素のひとつです。

ビタミンA

目、皮膚、骨、粘膜の健康に大きく関わっています。特に視力を正常に保つ働きや粘膜によって病原体の侵入を防いで感染症を予防するなどの働きに関わっています。犬は緑黄色野菜などから摂取できるカロテンからビタミンAを合成する酵素を持っているため、緑黄色野菜からもビタミンAを摂取できます。ビタミンAは過剰症があるため、AAFCOでも上限値が設けられています。一度に大量に食べないように気をつけましょう。鶏レバーは14000μg/100gに対して鳥ハツは700μg/100gです。

ビタミンK

血液の凝固に深くかかわる栄養素で、血液を正常な状態に保つために必要な栄養素です。出血した際に血を止める重要な役割がある一方で、血液の凝固を抑えることもできるので血栓の予防にも有効です。

ビタミンB2

ビタミンB2は、皮膚の健康や被毛の質向上に寄与し、成長を支える役割があります。ビタミンAと同様に皮膚や粘膜の健康をサポートしたり、傷の治りを早めることにも役に立っています。また、体内のエネルギー生成に関わっており、糖質、資質、タンパク質をエネルギーに変える役割があります。

パントテン酸

他のビタミンB郡やアミノ酸とともに皮膚の乾燥から守る働きがあります。酵素の働きを助ける補酵素としても働き、代謝を促進してくれます。そのため、パントテン酸が十分でないと皮膚や被毛の状態に影響が出てしまいます。

こんな子におすすめ

目の健康に役立てたい。
貧血予防をしたい。

100g当たりの栄養成分

出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)
※コリンは米国農務省FoodData Centralを参照

栄養素単位成分値(生)
粗タンパク質g14.500
アルギニンg0.970
ヒスチジンg0.380
イソロイシンg0.680
ロイシンg1.200
リジンg1.200
メチオニンg0.370
メチオニン+シスチンg0.620
フェニルアラニンg0.620
フェニルアラニン+チロシンg1.150
トレオニンg0.670
トリプトファンg0.200
バリンg0.820
粗脂肪g15.500
リノール酸g1.900
カルシウムg0.005
リンg0.170
カルシウム:リン比1:34.000
カリウムg0.240
ナトリウムg0.085
塩素g
マグネシウムg0.015
mg5.100
mg0.320
マンガンmg0.000
亜鉛mg2.300
ヨウ素mg0.000
セレンmg0.000
ビタミンAIU2333.333
ビタミンDIU16.000
ビタミンEIU1.490
チアミンmg0.220
リボフラビンmg1.100
パントテン酸mg4.410
ナイアシンmg6.000
ピリドキシンmg0.21
葉酸mg0.043
ビタミンB12mg0.002
コリンmg情報なし
lilya編集部
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