Instagramで犬ごはんのレシピや犬の健康に関する情報を発信している(@lilya_foods)で、このような質問を募集したところ

手作りの犬ごはんに興味はあるけれど、量や食材の配分、食べさせていい食材などが分からないという声をたくさんいただきました。そこで、この記事では手作り犬ごはんをはじめるために必要な基本的な知識や注意点について解説しています。
ごはんを手作りする理由とメリット
犬ごはんを手作りする理由は色々ありますが、私が一つ挙げるとするなら、人間でも話題になっている「健康寿命」を少しでも長くしてあげたいという理由になります。人間と同様に犬も寿命が延びている傾向にあり、老犬の健康や介護の問題が増えてきています。こういった問題を踏まえて、手作り犬ごはんには以下のようなメリットがあります。
フードローテーションを行いやすい
様々な食材に対応できる消化器官の維持やアレルギー予防などの理由から多様な食材を与える事を推奨する考え方をフードローテーションと言います。手作り犬ごはんは食材の調整や変更がしやすいためフードローテーションを気軽に行えます。
食べ物の好みに対応しやすい
今まで喜んで食べていたフードにある日突然見向きもしなくなったという経験はないでしょうか?このように飽きなどの理由で今まで食べていたフードを食べなくなることがありますが、若い頃から手作りご飯で多様な食材に触れていると気軽に別の食材に変更することが可能です。一方で、老犬になってからは新規のフードを受け入れにくい傾向があるため年を取ってから新しいフードに変更するのは大変です。
水分補給に有効
老犬は喉の渇きに鈍感になるなどの理由で水分補給をしにくくなるケースがあります。手作りご飯は食材自体に含まれている水分も一緒に摂取することができるので給水とは別に水分摂取を行うことができます。
病気など体の変化に対応しやすい
犬も年齢を重ねると内臓の機能が低下するなどの症状が出ることがあり、特定の栄養素の摂取を控えなければいけない場合があります。手作り食であれば、食材の組み合わせや調理方法である程度は調整可能です。
手作り犬ごはんのデメリット
費用と手間がそれなりに必要
手軽なドライフードと比べるとどうしても費用と手間はそれなりにかかってしまいます。ただ、いきなり毎日毎食を手作りご飯にする必要はないのでトッピングから始めてみたり、休みの日だけやるという形でも大丈夫です。また、まとめて作っておいて冷凍しておくなど時短テクニックもたくさんあるのでご紹介できればと思っています。
手作り犬ごはんの基礎知識
食材の組合せと配分
穀類:タンパク質源(肉、魚、卵、乳製品):野菜・海藻を1:1:1程度から始める場合が多いです。体調や体質、健康診断などの検査結果によってそれぞれのバランスを調節するようにしましょう。手作り犬ごはんでは、たんぱく質が多くなる傾向があります。食事のエネルギーはタンパク質・炭水化物・脂質で決まりますので体調や目的に合わせて調節しましょう。
身近に売られている食材のみでいわゆる総合栄養食の栄養素を満たすことは困難です。長期的に見てバランスが取れているように心がけましょう。また、旬の食材をできるだけ多く取り入れてあげるなど、できるだけ多様な食材を使ってあげてください。こちらの記事で栄養素の基本について解説しています。
作り方の基本
食材は飲み込みやすい大きさに切って、硬い食材は消化しやすい柔らかさまで煮込むなどしてください。おじやのように全ての食材を煮込むと簡単です。ただし、火を使った調理をした場合は人肌程度の温度になるまで冷ましてください。
ごはんの量
1食の目安は耳の付け根から上、頭のハチの大きさと言われています。ただ、個体差がだいぶあるので適正な体格を見ながら調整してあげてください。食材中のエネルギーも影響を受けますので、体重やライフステージから算出する1日に必要なエネルギーも参考にしてください。カロリー(エネルギー)や栄養素の計算方法で解説しています。
食事回数は離乳食期から成長期は3~4回、成犬~高齢犬は1~2回程度です。詳しくは手作り犬ごはんの量と適正体重の判断方法という記事で解説しているのでこちらをご覧ください。
犬に与えてはいけない食材
理由などもあるので詳細は別の記事でご紹介したいと思いますが、代表的なものとしてはネギ類・香辛料・お菓子・チョコレート・キシリトール・生のイカやタコ、貝類・生の卵白・カフェイン・消化器を傷つける恐れのあるものなどが挙げられます。中には少量であれば問題のない食材もありますが、できれば避けましょう。またジャガイモの芽など人間にとっても毒なものは犬にもよくありません。
犬が食べると危険、または注意が必要な食べ物と食材という記事でも詳しく解説しています。
犬ごはんをより手軽にする方法
毎食一から手作りするというのは手間がかかるので小分けしたものを冷凍しておくと便利です。まとめて作った後同じものをしばらくあげるという形でもいいですが、数種類をローテーションしたり組合せてあげると、なお良いと思います。私は、離乳食用などで利用されているフリージングブロックトレーを活用して、0.5食分ずつ小分けしたものを別メニューで組合せてあげています。
ストーリーで募集した際のご質問と回答
Instagramで手作り犬ごはんに関するご質問を募集したところたくさんのご質問を頂きましたので、比較的数の多かったものや重要なものを以下にも記載します。
ご質問は以下のInstagramアカウントでコメントかDMを頂ければご回答いたします
リーリャの犬ごはん
Q.適正な体格をどう判断したらいいかわからない
上から見てくびれがあることがわかり、触ると肋骨が確認できるという状態を目安にしてください。短期的な体重の変化はあまり気にせず、長期的に見て適正な体格であることを目指してください。
Q.栄養の偏りが心配です
よほど偏った食材を使用し続けない限り、特定の栄養素への偏りや不足は気にしなくて大丈夫です。できるだけ長期的に見て多様な食材を使ってあげてください。旬の食材をできるだけ多く取り入れてあげると自然とバリエーションが広がると思います。
手作り犬ごはんで足りなくなりがちな栄養素についてもご覧ください。
Q.味付け(塩など)はしますか?
味付けは不要です。塩分なども食材にもともと含まれている分があるので、それで十分です。