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犬の消化器の病気を解説|症状、原因、治療方法、予防、食事の注意点

Instagramで手作り犬ごはんのレシピや犬の健康に関する情報を発信しているリーリャ編集部(@lilya_foods)と申します。手作り犬ごはんの基本については手作り犬ごはんの作り方・レシピや注意点(量や食材、味付けなど)を解説で詳しく説明しています。 今回は、犬の消化器の病気について解説します。消化器疾患の基本知識、症状、食事などについて調べることができます。

犬の消化器疾患のポイント

  • 消化器疾患の種類は多く、症状もさまざまです。消化器は食道、胃、腸、膵臓、肛門と幅広いこともあり、犬の保険請求割合として一番多い理由です。
  • 消化器疾患に配慮した療法食も販売されており、脂質を調整したり腸内環境を改善できるようなフードがあります。
  • 手作り食でも脂質を抑えることで、胆泥症のケアになります。また、高脂質な食事を食べると消化不良でお腹を下してしまう場合にも対応できます。

消化器疾患の概要

IBD(炎症性腸疾患)

症状

軟便、下痢、嘔吐などが続き、腸炎の治療をしても改善が見られない状態です。

原因

寄生虫、アジソン病、膵炎、食物アレルギーなどが原因として考えられますが、これらの可能性を除外した上で原因のわからない腸の炎症を指します。

治療方法

食事療法、抗生物質の投与など状態によって治療法が異なります。免疫異常が関係していると考えられているのでステロイド剤をを使用する場合もあります。

予防

予防自体が難しいので、普段と違う様子が見られたら早めに動物病院を受診しましょう。

膵炎

症状

急性膵炎と慢性膵炎がありますが、嘔吐、下痢、腹痛。食欲不振、体重減少、元気がなくなるなどが見られます。10度になると命の危険もあります。

原因

はっきりとした原因はわかっていませんが、高脂肪食を食べていたり肥満が原因のひとつと考えられています。

治療方法

痛みや吐き気がある場合はそれらを抑える薬を投与したり、入院して管理することもあります。膵臓を休ませるために絶食・絶水が必要な場合がありますが、必要な栄養を摂る必要もあるので獣医師の指導のもと行います。食事では低脂質にし、消化しやすい内容のものを与えます。

予防

高脂肪食を避け、適切な食事管理をすることで肥満を防ぐことができます。また、定期的な健康診断を受けることで、早期発見につながります。

胆泥症

症状

嘔吐、下痢、腹痛、食欲不振、体重減少、黄疸、元気喪失などが見られます。他にも血液検査で肝機能の数値の上昇が見られる場合があります。

原因

はっきりとした原因はわかっていませんが、高脂肪食、肥満、脂質の代謝異常などが考えられています。

治療方法

胆泥症の治療は症状と原因に応じて異なりますが、 高脂肪な食事は胆泥症のリスクをあげる可能性があるので低脂肪食がすすめられます。胆汁の流れをよくするウルソデオキシコール酸(UDCA)などの薬剤が使用されることがあります。重症の場合や胆管閉塞などが見られる場合は、手術が必要となることがあります。

予防

高脂肪食を避け、バランスの取れた食事を食べさせます。定期的に健康診断を受けることで、早期発見につながります。

巨大食道症

症状

食後すぐに吐く(吐出)、体重の減少などが見られます。

原因

先天的に巨大食道症になることも多く、特定の犬種に多いとも言われていますが明確な原因はわかっていません。

後天的に発症する場合は、重症筋無力症という病気が原因が多いと言われています。

治療方法

原因がわかっている場合は、それに合わせた治療が行われます。

巨大食道症は、誤嚥性肺炎になりやすいため、それを回避するために立った姿勢で食べさせたり、適切なフードの形状で食べさせてあげます。

予防

予防は難しいですが、定期的な健康チェックや普段と違う様子が見られたら獣医師に相談するようにしましょう。

家でできるケア

高脂質な食事は避けて適度な運動をしたり、人間の食べ物を誤食しないように気をつけましょう。

食事について

症状によって変わりますが、脂質や食物繊維量を調節したい場合は食事での対応が必要です。市販のフードでも脂質、食物繊維量を調整したものや、腸内環境を改善できるようなプロバイオティクスなどを配合したフードも売られています。療法食が必要な場合は獣医師の指導にしたがって取り入れましょう。

手作り食でも対応ができます。脂質を抑えたい場合はタンパク源をタラやささみ、鶏むね肉、豚もも肉などを使うことで調整することができます。ただし、過剰に制限すると皮膚や被毛がパサつく可能性があるので注意しましょう。

お腹に優しい低脂質な犬ごはんレシピ

ささみとカボチャのごはん

このレシピの特徴

低脂質・高タンパクの代表的な食材のささみを使い、脂質を抑えたレシピです。脂質を抑えることでお腹に優しく、胆泥症のケアなどにもおすすめです。AAFCOの基準では脂質は1000kcalあたり13.8gが下限値ですが、このレシピは18.1gになるように設計しています。完全栄養食とも言われる卵を合わせることで、バランスの良いレシピになるようにしました。

このレシピは約100.1kcal/100gです。

材料

体重4kgの避妊・去勢済みの成犬の1日分を基準としています。
ささみ 70g
茹で卵 25g
炊いた白米 101g
カボチャ 58g
水菜 25g
舞茸 23g
すりゴマ 3g
(サプリメントを追加する場合)
リーリャの犬ごはん マルチビタミン&ミネラル 3.2g

このページでご紹介しているレシピは、そのままでもできる限り栄養バランスがとれるように計算していますが、リーリャの犬ごはん マルチビタミン&ミネラルを追加することで犬の栄養基準を満たすことができるように設計されています。この栄養基準を満たすことで犬は健康を維持することができ、一方で長期的に足りない栄養素があると体に不調をきたしたりしますが、一般的な食材だけでは栄養基準を満たすことが困難です。そのため、専用サプリメントをご用意しましたので、ぜひ一度ご検討ください。
〈サプリメント販売ページ〉
https://shop.lilya.jp/products/mv-mineral

詳細はこちらをご覧ください

以下のシミュレーターで体重やライフステージごとに1日当たりの分量に変換できます。

ご家庭のわんちゃんの場合のレシピの分量の倍率が計算できます。

kg

小数点なしで入力してください。小数点以下の数字は四捨五入されます。

授乳期の場合は子犬の数で変化します。数字は最低限の目安なので獣医に相談してください。
シニア期は年齢の幅も広く、個体差も大きいです。シニア期の数値は初期設定の数値とし、体重・体型の増減を見て調節することをおすすめします。

レシピページの食材の分量を倍にすると1日分になります

リーリャの犬ごはんではその他にも低脂質などをテーマにしたレシピがいくつかありますので、ぜひ参考にしてください。レシピ一覧はこちら

まとめ

消化器疾患は時として犬の健康に深刻な影響を与える可能性があります。症状が多岐にわたり予防が難しいので定期的な健康診断をした方が良いでしょう。食事については手作り食でも対応できる場合がありますので、獣医師に相談しながら適切な栄養バランスの食事を食べさせてあげましょう。

参考
アニコム家庭どうぶつ白書2023