犬ごはんの食材解説

【ささみ】手作り犬ごはんの食材解説(犬にあげていいか?、調理のポイント、分量、味付け、栄養について)

Instagramで手作り犬ごはんのレシピや犬の健康に関する情報を発信しているリーリャ編集部(@lilya_foods)と申します。手作り犬ごはんの基本については手作り犬ごはんの作り方・レシピや注意点(量や食材、味付けなど)を解説で詳しく説明しています。
今回は、犬ごはんの食材のうち、ささみについて解説します。その他の犬ごはんの食材に関する記事はこちらです。

ささみを犬にあげていいか?あげる場合の注意点

ささみは犬にあげても大丈夫な食材です。高タンパク・低脂質な食材の代表的な存在であるささみは、人間のダイエットや筋肉作りに良く取り入れられるように、犬の食事にも同じような目的で取り入れることができます。同じく高タンパク・低脂質で有名な鶏むね肉(焼き・皮なし)はタンパク質が38.8g/100g、脂質が3.3g/100gですが、焼いたささみのタンパク質は31.7g/100gとほぼ変わらないですが脂質は1.4g/100gと半分以下です。ドライフードのトッピングとして加熱調理したささみを使っている方も多いようです。ささみを茹でて調理する場合は、茹で汁もフードにかけて風味をつけたり水分補給として利用する場合もあります。
ささみなどの肉類にはリンが多く含まれています。過剰なリンは尿路結石であるストルバイト(リン酸アンモニウムマグネシウム)結石の原因になる可能性があります。すでにストルバイト結石の場合やその兆候がみられる場合は摂取量に注意しましょう。
また、いくら脂質を抑えたいと言っても、不必要に長期間にわたって脂質を制限してしまうと皮膚や被毛などに悪影響が出る可能性があります。脂質も必要な栄養素なので、バランスよく取り入れる必要があります。

ささみに含まれている栄養素と主な効果

ささみの代表的な栄養素にはタンパク質リンナイアシンビタミンB6パントテン酸、BCAA(バリンロイシンイソロイシン)などが含まれています。

タンパク質

筋肉や臓器、皮膚など体の基本となる組織を作り、生命活動を維持するために必要な栄養素です。成長促進や免疫力の向上など身体的なこと以外に脳の活性化や精神の安定などにも影響します。また、肉類と同じく魚類もアミノ酸のバランスが良く良質なタンパク質です。アレルギーがなければいろいろな食材から取り入れるようにしましょう。

リン

カルシウムと同様に骨や歯を作るのに欠かせません。また、DNAやRNAなどにも含まれるとともに、エネルギーの代謝にも関わっています。腎臓病用のフードにはリンが制限されていますが、これは腎臓の機能が低下すると、フィルターとしての役割が機能しなくなり、余分なリンが体内に溜まるようになります。その結果、腎臓病が悪化する要因となってしまいます。

ナイアシン

ナイアシンは動物性食品や豆類、果実類に多く含まれる水溶性のビタミンで、ビタミンB群の1種です。 役割としては糖質や脂質の代謝を促進する補酵素として機能し、また皮膚や粘膜の強化にも貢献しています。加えて、脳の神経伝達物質の生成にも不可欠なため、脳神経の働きにも大きく作用しています。

ビタミンB6

肉類(タンパク質)の代謝に必要不可欠なビタミンで、タンパク質を多く摂取するほどたくさんのビタミンB6が必要になります。神経系にも関わっており、てんかんの種類によってはビタミンB6の不足がみられる場合もあります。

パントテン酸

他のビタミンB群やアミノ酸とともに皮膚の乾燥から守る働きがあります。酵素の働きを助ける補酵素としても働き、代謝を促進してくれます。そのため、パントテン酸が十分でないと皮膚や被毛の状態に影響が出てしまいます。

BCAA(バリン、ロイシン、イソロイシン)

タンパク質を構成する必須アミノ酸のひとつです。バリン、ロイシン、イソロイシンとしてBCAA(分岐鎖アミノ酸)と呼ばれています。肉類をはじめ、さまざまな食材に含まれているので欠乏することは稀ですが、病気や高齢などにより筋肉の減少がみられる場合などは、積極的な摂取が良いとされています。

おすすめの調理方法や食材との組合せ

適量のレバーと合わせてビタミンAや亜鉛を補いましょう。また、卵と合わせると各種ビタミンやミネラルもバランスよく補うことができます。焼き調理をすると香ばしくなり食欲アップに繋がります。
ささみを使ったレシピはこちらをご覧ください。

ささみを使ったレシピ例1

ささみで低脂質なごはん|さつまいもとかぼちゃを使ったグレインフリーメニューをご紹介します。

材料

ささみ 100g
鶏卵 50g
さつまいも 150g
カボチャ 150g
舞茸 55g
煮干し 10g
すりゴマ 5g
水 100cc

作り方

①材料を細かくカットします。さつまいもは皮を剥きます。ささみはスジを取ります。
②水分の出やすい舞茸から加熱します。蓋をして火加減は弱火で。
③水分が出てきたらささみを入れ、加熱します。
④ある程度火が通ったら、さつまいも、カボチャを入れます。
⑤混ぜ合わせて蓋をして加熱します。
⑥ときどき混ぜます。この時、蓋についた水滴は鍋の中に入れましょう。
⑦2〜3回⑥を繰り返したら、溶き卵とゴマ、煮干し、水を加えて混ぜ合わせます。
⑧食材に火が通れば完成!

レシピにも記載はありませんが、味付けは不要です。塩分なども食材にもともと含まれている分があるので、それで十分です。

ささみを使ったレシピ例2

ズッキーニとささみのごはん|健康な骨や歯をつくる・抗酸化作用をご紹介します。

材料

ささみ 100g
鶏レバー 20g
さつまいも 120g
小松菜 80g
ピーマン 60g
ズッキーニ 60g
舞茸 50g
炒りゴマ 8g
パルメザンチーズ 5g
炒め油(サラダ油) 3g

作り方

①小松菜は下茹でしておきます
②材料を細かくカットします
③炒め油(サラダ油)を鍋に熱し、レバーとささみを炒め、蓋をして少し加熱します
④カットしたピーマン、舞茸、ズッキーニ、さつまいもも加えます
⑤蓋をして弱火で10分ほど加熱します(ときどき混ぜます)
⑥火が通ればひを消して大丈夫です
⑦冷めたらゴマ、パルメザンチーズを加えて良く混ぜたら完成!

その他のささみを使ったレシピ一覧

こんな子におすすめ

ダイエット中や脂質の摂取を抑えたい。
良質なタンパク質で筋肉をつけたり、病気・高齢時の筋肉量減少の対策をしたい。

100g当たりの栄養成分

出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)
※コリンは米国農務省FoodData Centralを参照

栄養素単位ささみ(生)ささみ(茹で)ささみ(焼き)ささみ(ソテー)
粗タンパク質g23.90029.60031.70036.100
アルギニンg1.6002.0002.1002.400
ヒスチジンg0.7700.9201.0001.200
イソロイシンg1.2001.5001.6001.800
ロイシンg1.9002.5002.6003.000
リジンg2.2002.8002.9003.300
メチオニンg0.6700.8900.9001.000
メチオニン+シスチンg0.9401.2401.2601.410
フェニルアラニンg0.9401.2001.3001.500
フェニルアラニン+チロシンg1.7802.3002.4002.800
トレオニンg1.1001.5001.6001.800
トリプトファンg0.2900.3800.4100.450
バリンg1.2001.5001.7001.900
粗脂肪g0.8001.0001.4005.400
リノール酸g0.0750.0750.1100.830
カルシウムg0.0040.0050.0050.005
リンg0.2400.2400.3100.340
カルシウム:リン比1:60.0001:48.0001:62.0001:68.000
カリウムg0.4100.3600.5200.630
ナトリウムg0.0400.0380.0530.061
塩素g0.0620.0590.0820.094
マグネシウムg0.0320.0340.0410.044
mg0.3000.3000.4000.400
mg0.0300.0300.0400.030
マンガンmg0.0100.0100.0200.010
亜鉛mg0.6000.8000.8001.000
ヨウ素mg0.0000.0000.0000.000
セレンmg0.0220.0000.0000.033
ビタミンAIU16.66713.33313.33326.667
ビタミンDIU0.0000.0000.0000.000
ビタミンEIU1.0430.1490.1492.682
チアミンmg0.0900.0900.1100.100
リボフラビンmg0.1100.1300.1600.180
パントテン酸mg2.0701.7202.3702.950
ナイアシンmg12.00011.00018.00018.000
ピリドキシンmg0.620.630.590.65
葉酸mg0.0150.0110.0130.019
ビタミンB12mg0.0000.0000.0000.000
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