この記事では、犬の皮膚病について日ごろの予防法や対処法、治療、食事による改善方法(手作り犬ごはん)などについて解説しています。
この記事は、Instagramで手作り犬ごはんのレシピや犬の健康に関する情報を発信しているリーリャ編集部(@lilya_foods)が作成しています。犬用の冷凍フレッシュフードや手作り犬ごはん専用サプリメントを販売しているECサイトも運営しています。
犬の皮膚トラブルで悩む人は多い
かゆみやフケ、湿疹など皮膚の症状は多岐にわたり、困っている方がとても多い病気です。実際にアンケートをとってみても25%は皮膚の病気があると診断されているようです。
質問項目 | 回答数 |
皮膚の病気があると診断されている | 197 |
診断はされていないが湿疹などが気になっている | 154 |
皮膚が弱く将来的に心配 | 167 |
悩んでいない | 271 |
皮膚病でよくみられる症状
犬の皮膚病にはさまざまな症状がありますが大きく分類すると以下のものがあり、それぞれ特徴があります。
かゆみ
皮膚病の最も一般的な症状の1つはかゆみです。犬が皮膚を舐めたりかむ行動を見せることがあります。かゆみは特に夜間や安静時に悪化することがあります。
赤み
皮膚病による赤みは、犬の皮膚が炎症を起こしていることを示しています。皮膚が赤くなり、触ると熱を帯びていることがあります。
フケ
皮膚病の進行により、犬の皮膚からフケが発生することがあります。フケは白っぽい粉状の皮膚片であり、皮膚の健康状態の指標となります。
脱毛
皮膚病が進行すると、犬の被毛が薄くなったり、抜け毛が増えたりすることがあります。脱毛は皮膚病の重度を示す重要な特徴の1つです。
その他の症状
他にも、湿疹や皮膚の表面が固くなるなど、さまざまな症状が現れることがあります。
症状の重度に応じて、これらの症状が現れる程度や頻度が異なります。軽度の皮膚病ではかゆみや軽度の赤みが見られる一方、重度の皮膚病では強いかゆみや濃い赤み、大量のフケや脱毛などが見られることがあります。
皮膚病の種類
犬が皮膚病にかかる原因はさまざまですが、大きくは以下に分類することが可能です。ただし、特定の環境や季節も皮膚病の発生に影響を与える場合があり、例えば湿度の高い環境では真菌感染がより活発になり、花粉の飛散が増える春や秋にアレルギー性の皮膚病が増加するといったことがあります。
アトピー性皮膚炎
環境アレルゲンによって引き起こされる犬の皮膚病で、草木やハウスダストなどのアレルゲンに対する過敏反応が原因です。症状にはかゆみ、湿疹、赤みなどが含まれます。
食物アレルギー
動物性たんぱく質(卵、牛乳、豚肉、鶏肉、牛肉など)や小麦など食物が原因で症状がでる皮膚病です。上記のアトピー性皮膚炎と合わせてアレルギー性皮膚炎とも呼ばれています。食物アレルギーが疑われる場合は、アレルギー反応が出なそうなフードを与える「除去食試験」、アレルギーの原因と考えられる食物が入っているフードを与える「負荷試験」を行うことでどれが食物アレルギーの原因なのかを断定します。
寄生虫感染
ノミやマダニ、ノミダニなどの寄生虫によって引き起こされる皮膚病です。寄生虫が皮膚に噛み、炎症やかゆみを引き起こすことがあります。ノミ・ダニの感染が考えられる場合は、付着していないか確認したりフンがないかをみていきます。駆虫薬を用いるのが確実です。
細菌感染
犬の皮膚に常在する細菌が過剰増殖し、皮膚感染症を引き起こすことがあります。赤み、腫れ、脱毛、膿などが一般的な症状です。
真菌感染
カビや酵母などの真菌によって引き起こされる皮膚感染症です。皮膚の発赤、発疹、かゆみなどが症状として現れることがあります。
自宅で行うことのできる対処法・予防法
ブラッシング
外出時についてしまった埃や汚れを落としましょう。被毛のもつれを予防することで、皮膚の炎症などの予防にも繋がり、加えて同時に皮膚へのマッサージ効果も期待できます。また、ブラッシングをする際に注意深く皮膚の様子を観察してあげることで、早期の発見と対応が可能になります。
シャンプー(入浴)
汚れやノミ・ダニなどを取り除き、皮膚病対策になります。すでに炎症があり、状態によっては薬用シャンプーで治療する場合もあります。洗いすぎも皮膚の乾燥や炎症につながることもあるので、通常であれば月に一度程度のシャンプーで良いと言われています。
食事管理
健康な皮膚を維持するためには、バランスの取れた食事が必要です。特別な食事が必要な場合は獣医師と相談して決めてください。
清潔な空間づくり
犬がアレルギー反応を起こす可能性のある環境アレルゲンを最小限に抑えることが重要です。部屋の掃除や定期的なベッドやクレートの清掃を行い、アレルギーを引き起こす可能性のある物質を取り除きます。
快適な環境の提供
犬の皮膚病が進行すると、かゆみや不快感が増すことがあります。快適な環境を提供するために、ストレスを軽減し、快適な休息や運動の場を確保することが必要となります。
上記はあくまでも自宅でできる対処法・予防法のため、症状が重い場合は獣医師に相談してください。
栄養素が犬の皮膚に与える影響
皮膚や被毛には食事による影響が出やすく、特に皮膚の薄い目元、口元、脇、お腹や粘膜は敏感なので症状が出やすいとされています。
特に皮膚の健康に関わる栄養素
※どの栄養素も極端な摂り方ではなく、適切な量を摂るようにしましょう。
タンパク質
皮膚や被毛はケラチンというタンパク質から作られているので、不足してしまうと健康的な皮膚や被毛に影響が出てしまいます。
ビタミンA
脂溶性ビタミンのひとつでレバーや卵などに多く含まれています。皮膚や粘膜、目の健康に関わっています。過剰症のある栄養素なので摂りすぎには注意しましょう。
亜鉛
不足すると皮膚や被毛に異常が出てしまいます。牛肉やレバー、卵などに比較的含まれていますが、手作りごはんでは亜鉛が足りなくなりがちなので注意が必要です。
DHA・EPA
抗炎症作用があることから健康な皮膚のサポートをしてくれます。適量を魚油や青魚から摂るようにしたい栄養素です。
ごはんで犬の皮膚トラブルを予防するための注意点
食物アレルギーの場合
アレルギーの原因となる食材がわかっている場合は、原料に含まれていないかの確認は欠かせません。ペットフードは原材料を記載する義務はありますが、原材料の原料(例:チーズの原料)まで記載しなくても良いことになっています。これにより、原因を避けているつもりでも症状が治らないということがあるため、症状が治まらない場合はこの可能性も考慮してあげてください。
添加物や製造の影響
ペットフードに使用できる添加物の種類や量はペットフード安全法で決められていますが、なかには発がん性が懸念されているものも含まれていることがあります。また、記事によっては安心と思われがちな植物由来の添加物も抽出するために使用している薬剤が残っている可能性があると指摘していたりします。製造段階で他の原材料が混入するケースも多く、パッケージに記載されている原材料だけでは判断が難しい場合もあります。これらの添加物が気になる方は、原材料のはっきりしている手作り犬ごはんがおすすめです。
おすすめの手作り犬ごはんレシピ
リーリャの犬ごはんで作成した手作り犬ごはんレシピをご紹介します。こちらは、栄養計算を行っており、栄養バランスが取れるように設計しています。
鶏むねとパプリカのごはん
健康な皮膚作りに役立つビタミンB2、B6などを含むパプリカと、良質なタンパク源である鶏むね肉と卵を使ったレシピです。鶏むね肉や卵、レバーに含まれるビタミンB群のひとつのナイアシンも健康な皮膚作りに必要な栄養素です。また、レバーにはビタミンAも豊富に含まれており、皮膚や粘膜を正常に保つのに必要です。
材料
体重4kgの避妊・去勢済みの成犬の1日分を基準としています。
鶏むね肉 65g
ゆで卵 32g
鶏レバー 13g
サツマイモ 91g
赤パプリカ 59g
ブロッコリー(茹で) 52g
舞茸 32g
米油 2g
(サプリメントを追加する場合)
リーリャの犬ごはん マルチビタミン&ミネラル 3.2g
体重とライフステージを入力するとレシピの分量を何倍にしたらいいのか表示するシミュレーターもありますのでご活用ください。
作り方
①卵とブロッコリーを茹でておきます。ブロッコリーは小房に分けて3分ほど茹でます。
②食材をそれぞれ細かくカットし計量しておきます。愛犬が丸呑みしても問題ない大きさくらいの大きさが目安です。
③鍋に米油を熱し、レバー、鶏むね肉を炒めます。パラパラになるように炒めると仕上がりが均一です。
④舞茸、サツマイモ、水(50cc)を加えます。蓋をして弱火で10〜15分ほど煮ます。
⑤火が通ったらゆで卵、ブロッコリーを加えてよく混ぜたら完成です。
※サプリメントは食べる時に、一食分に必要量を混ぜてあげてください。
まとめ
犬の皮膚トラブルは日頃の生活や食事が原因となって現れることが多いため、日頃からブラッシングなどをしながら皮膚の状態を見てあげてください。リーリャの犬ごはんでもご紹介している手作り犬ごはんは食物アレルギーや添加物に対応しやすいため、よろしければ取り入れてみてください。