犬に関する記事

ドッグフードの種類と選び方

Instagramで手作り犬ごはんのレシピや犬の健康に関する情報を発信しているリーリャ編集部(@lilya_foods)と申します。手作り犬ごはんの基本については手作り犬ごはんの作り方・レシピや注意点(量や食材、味付けなど)を解説で詳しく説明しています。
今回は、ドッグフードの種類と選び方について解説します。また、Instagramで、フォロワーの方にドッグフードの種類と選ぶ際に気をつけていることについてアンケートを取ってみましたので、その結果もご紹介しています。

昨今では様々なフードが多く、多種多様な商品が販売されています。目的や好みに合わせて選択肢が増えることはとても良い反面、選択肢が多すぎて何が良いのかわからなくなってしまうこともあります。それぞれの特徴を理解すると、どの要素を優先して選ぶべきかがわかるようになるかと思います。
ペット達も以前よりも長寿になっています。健康で長生きしてもらえるように食べ物についても考えてみましょう。

ドッグフードの基礎知識

総合栄養食とは

総合栄養食とはAAFCO(米国飼料検査官協会)が設定した栄養基準を満たした基準を満たしたフードを指しており、この基準を満たしていると総合栄養食としてパッケージに記載することができます。この栄養基準を満たしたペットフードは、そのフードと水さえ摂取していれば指定された成長期間の健康を維持できるような設計になっています。
日本で一般的に流通している多くのドッグフードが総合栄養食に該当し、様々な種類が販売されているので、目的に合わせて選ぶことができます。また、食べているものを特定しやすいということで、獣医視点で見ると管理しやすいというメリットもあるようです。

グレインフリー・グルテンフリーとは

グレインフリーはグレイン(穀類)を使用していないフードで、ペットフードでグレインフリーというと一般的には小麦、米、とうもろこしなどを使用していないものを指します。グルテンは小麦粉などの穀類粉に水を加えてこねると発生する成分で、こちらを使っていないペットフードをグルテンフリーといいます。
グレイン及びグルテンは食物アレルギーの原因になる場合が多いため、近年注目されています。しかし、デメリットもあり、穀物を含まないフードはタンパク質含量が多くなる傾向にありますが、過剰なタンパク質は腎臓や肝臓などに負担をかけてしまう場合があります。特別な理由がない限り、過剰に気にする必要はありません。
余談ですが、ヒトにおいてはグルテンによる健康リスクははっきりとした科学的根拠はないと内閣府の食品安全委員会も発表しています。グルテンフリーの流行はスポーツ選手がグルテンフリーの食生活にした結果、好調となったことが有名です。いろいろな見解がありますが、いつの間にかグルテン=悪者のようになってしまっています。

ヒューマングレードとは

一般的にヒューマングレードは人間と同等の基準の原料や生産方法で作られたものを言いたい場合に使われますが、日本ではヒューマングレードの定義や基準のようなものは特に定められていません。
ペットフードは日本では雑貨扱いで、原料についても不透明な部分が多いのが現状です。最近ではどのような原料を使っているのかを公表するメーカーも増えてきましたが、人間の食品と比べると基準も異なります。ヒューマングレードはあくまで表現の一つであることを認識しておきましょう。

ペットフードの分類

タイプ別

含まれる水分量によって分けられます。
加工や水分量によって、必要な保存料などの添加物も変わってきます。
また、主食に向いているのかも確かめる必要があります。

ドライフード水分量10%程度以下日本で流通している大半のフードが該当する。様々な種類があり、最近ではほとんどのものが総合栄養食。専用の機械で加熱発泡処理して作られる。常温で保存が可能。開封後、時間が経つと酸化して風味が落ちる場合もある。
ソフトドライフード水分量25〜35%程度発泡処理して作られたフード。品質保持のため防カビ剤や保湿剤などの添加物が使われる。ドライよりも柔らかいので硬いものが苦手な子には食べやすい。ドライより嗜好性が高いものが多い。半生フードとも言われます。
セミモイストフード水分量25〜35%程度発泡処理せずに作られたフード。品質保持のため防カビ剤や保湿剤などの添加物が使われる。ドライよりも柔らかいので硬いものが苦手な子には食べやすい。ドライより嗜好性が高いものが多い。半生フードとも言われます。
ウェットフード水分量75%程度総合栄養食ではないものも多い。レトルトパウチや缶詰、アルミトレーなどの密封容器に入れ、殺菌処理をします。常温で保存が可能。水分補給にもなり、嗜好性が高い。

現在日本で流通しているドライフードは国産・外国産ともにほとんどが総合栄養食です。安心である反面、炭水化物を多くしているものや、たんぱく質を多くしているものなど、様々な栄養バランスのものがあるので、目的に応じて選ぶことも重要です。
また、AAFCOは原材料の指定はしていないので、どのような原材料を使用しているのかがわかるフードの方が、アレルギーなどのトラブルが起きた時に対処しやすいです。

手作りごはん(手作りフード)とは

手作り犬ごはんには厳密な定義はありませんが、近年ではいろいろなメーカーが「フレッシュフード」というジャンルで販売しています。家庭においては、スーパーなどで売られている食材や通販などで手に入れた食材を使用して調理されたごはんです。ペットフードで主流なドライタイプのフードに比べると、水分量が多くお水をあまり飲まない子に効果的です。食材の風味や香りがしっかりとしているため嗜好性が高く、好んで食べてくれることが多いのも特徴です。
家庭で作る犬ごはんの基本についてはこちらの記事でも解説しています。

目的別

フードによって目的が分かれます。
主食として使用するのに向いているかどうかも確認するようにしましょう。

総合栄養食そのフードと水があれば栄養素的にまかなえるフード。ほとんどのドライフードが総合栄養食です。
間食おやつ、スナック、トリーツなどを指します。1日のカロリー必要量の20%以内に抑える必要があります。
療法食獣医師の指導のもと使用することを目的としています。疾病の治療補助の目的で使われるため、栄養素が調整されたフードです。
その他の目的食上記には含まれないフード。栄養補強目的や嗜好増進のためのものや、サプリメントが含まれます。副食、おかずタイプ、栄養補助食とも言われます。

ライフステージ別

犬・猫で必要な栄養素や量が違うのと同様に、ライフステージによっても必要な栄養素や量が変わります。成長段階における栄養素量も決められています。

妊娠期・授乳期生後4週齢ごろまでを指し、母乳の成分をもとにしたいわゆる代用乳。
幼犬期・幼猫期成長期又はグロース幼児期は生後8週齢ごろまでを指すいわゆる離乳食。フレークタイプや粉状、ウェットタイプなど消化吸収しやすいフードです。成長期は1歳ごろまで。成長・発育に必要な栄養素が強化されています。成長期初期ではふやかして与えるようにします。
成犬期・成猫期維持期又はメンテナンスいろいろな種類があり、含まれる栄養バランスもさまざま。普段活発でなかったり、スポーツをするなどで必要なエネルギー量も変わります。個体差はあるが6〜8歳ごろからシニア・高齢期と呼ばれる傾向がある。必要に応じて特定の栄養素を抑えたり強化していたり、さまざまなものがある。
全成長段階又はオールステージ上記を全て満たす場合。便利だが体調や疾患に応じて適したフードに見直す必要がある。

※参考
一般社団法人ペットフード協会
ペットフード公正取引協議会
内閣府 食品安全委員会

参考:ドッグフードの選び方に関するアンケート結果

手作り犬ごはんに関する情報発信をしているInstagram(@lilya_foods)でアンケートを取ってみたところ以下のような結果になりました。

Q.あげる頻度の多いドッグフードの種類を教えてください。

フードの種類票数
手作りフード309票(34%)
お店や通販で買ったドライフード504票(55%)
お店や通販で買ったウェットフード60票(7%)
その他49票(4%)

手作り犬ごはんについて情報発信を発信しているアカウントのフォロワー様を対象にしているため手作りフード比率が高めですが、それでも総数922票の半数以上がドライフードを選択しており、一般的にはドライフードを選ぶ方が多いという結果になっています。

Q.ドッグフードを選ぶときの基準や気をつけていることがあれば教えてください

こちらは30人ほどの方から具体的な回答をいただきましたので以下に記載します。

  • ヒューマングレード
  • 無添加、無着色、オイルコーティングなし、などの添加物が入っていない
  • 安心できる産地、わかりやすい原材料
  • 栄養バランス
  • 食いつき
  • 旬のもの、多少な食材を使用
  • 金額
  • アレルギー食材の有無
  • 食後の便の硬さ
  • 粒の大きさ

回答する方が多い順から並べているのですが、上位はヒューマングレードや無添加、産地など安全性に関する内容で占められていました。続いて、栄養関連や食べやすさなどが続き、金額に関する回答はさほど多くはないという結果になっています。

まとめ

人間と同様にドッグフードにも様々な選択肢が存在していて、選ぶのが難しいと感じている方も多いと思います。分からない方は、まずは一般的な総合栄養食をライフステージにあったもので与えてみて、食いつきや健康状態を見ながら調整していくのが良いと思います。ただし、悩んだ時は自分で判断しすぎず獣医の方に相談したり、定期的に検診を受けるようにしましょう。

lilya編集部
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