犬ごはんの食材解説

【レバー】手作り犬ごはんの食材解説(犬にあげていいか?、調理のポイント、栄養について)

Instagramで手作り犬ごはんのレシピや犬の健康に関する情報を発信しているリーリャ編集部(@lilya_foods)と申します。手作り犬ごはんの基本については手作り犬ごはんの作り方・レシピや注意点(量や食材、味付けなど)を解説で詳しく説明しています。
今回は、犬ごはんの食材のうち、レバーについて解説します。その他の犬ごはんの食材に関する記事はこちらです。

レバーを犬にあげていいか?あげる場合の注意点

レバーは犬にあげても大丈夫な食材です。ドライフードの原料にもよく使われており、人間の料理でも馴染み深い食材の一つです。レバーも食中毒の危険性があるので加熱してからあげるようにしましょう。以前は牛レバーは生食用でも提供されていましたが、2012年から法律で生食用での販売・提供は禁止となりました。牛・豚・鶏のいずれも栄養価が高く、嗜好性も高いレバーですが、ビタミンAが豊富に含まれています。必要な栄養素の一つですが、摂りすぎによる過剰症の危険性もあるので量に気をつけましょう。手作りごはんでは、メインのタンパク源として使うのではなく、補助的に使うと不足しがちなビタミンAや鉄を補うことができます。レシピによって必要な量を計量することをオススメします。それぞれの種類のレバーも解説していますのでご覧ください。

レバーに含まれている栄養素と主な効果

レバーの代表的な栄養素は、ビタミンA亜鉛パントテン酸コリンなどが含まれています。

ビタミンA

目、皮膚、骨、粘膜の健康に大きく関わっています。特に視力を正常に保つ働きや粘膜によって病原体の侵入を防いで感染症を予防するなどの働きに関わっています。
犬は緑黄色野菜などから摂取できるカロテンからビタミンAを合成する酵素を持っているため、緑黄色野菜からもビタミンAを摂取できます。
ビタミンAは過剰症があるため、誤食などで一度に大量に食べないようにした方が良いでしょう。例えば4kgの犬の場合、鶏レバーを一日45g食べると、AAFCOの基準値を超えてしまいます。(個体差があるので必ず中毒症状が出るとは限りません。)

鉄分にはヘム鉄と非ヘム鉄があり、ヘム鉄の方が吸収率が高く、動物性の食材に多く含まれます。非ヘム鉄であってもビタミンCと一緒に摂ることで吸収率がアップします。また、貯蔵鉄というかたちで肝臓や腎臓などに貯められ、足りなくなると補充されたり、運搬鉄というかたちで体内に運ばれます。豚レバーは特に多く含まれており、牛レバーの3倍以上含まれています。

亜鉛

亜鉛は全身に分布し、体内のさまざまな代謝に関わってます。特に被毛や皮膚に多く存在するため、足りなくなると症状が出ることが多いとされています。体内の多くの酵素の働きをサポートし、炭水化物やたんぱく質の代謝にも関わっています。不足すると、皮膚や被毛の異常、発育の低下、生殖機能の低下が見られます。
通常の場合、過剰になることは稀ですが、鉄や銅の欠乏につながる場合もあります。
他にも大豆や納豆にも含まれています。

パントテン酸

他のビタミンB郡やアミノ酸とともに皮膚の乾燥から守る働きがあります。
酵素の働きを助ける補酵素としても働き、代謝を促進してくれます。そのため、パントテン酸が十分でないと皮膚や被毛の状態に影響が出てしまいます。

コリン

脳の機能や細胞膜の動脈硬化や脂肪肝の予防に有効です。神経伝達物質であるコリンが不足すると神経障害や成長障害がおこりやすくなります。また脂肪肝や腎不全なども発症しやすくなります。水溶性なので過剰症はありません。コリンは日本食品標準成分表などにも載っていないため米国農務省の食品データベースなどを調べる必要があります。

おすすめの調理方法や食材との組合せ

ビタミンAは脂溶性なので炒めると効率よく吸収できます。
ビタミンCの多いピーマンやブロッコリー、カボチャなどと一緒に摂るとさらに皮膚や粘膜の健康に効果的です。

こんな子におすすめ

目の健康に役立てたい。
貧血予防をしたい。
健康な皮膚や被毛に役立てたい。

100g当たりの栄養成分

出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)
※コリンは米国農務省FoodData Centralを参照

栄養素単位鳥レバー豚レバー牛レバー
粗タンパク質g18.90020.40019.600
アルギニンg1.2001.1001.200
ヒスチジンg0.5400.5800.610
イソロイシンg0.8800.9300.920
ロイシンg1.7001.8001.900
リジンg1.4001.5001.600
メチオニンg0.4700.5000.480
メチオニン+シスチンg0.7700.8600.820
フェニルアラニンg0.9201.1001.100
フェニルアラニン+チロシンg1.6601.8501.810
トレオニンg0.9500.9900.960
トリプトファンg0.2700.3000.290
バリンg1.1001.2001.200
粗脂肪g3.1003.4003.700
リノール酸g0.2400.2700.200
カルシウムg0.0050.0050.005
リンg0.3000.3400.330
カルシウム:リン比1:60.0001:68.0001:66.000
カリウムg0.3300.2900.300
ナトリウムg0.0850.0550.055
塩素g0.1310.0850.085
マグネシウムg0.0190.0200.017
mg9.00013.0004.000
mg0.3200.9905.300
マンガンmg0.3300.0000.000
亜鉛mg3.3006.9003.800
ヨウ素mg0.0010.0010.004
セレンmg0.0600.0670.050
ビタミンAIU46666.66743333.3333666.667
ビタミンDIU8.00052.0000.000
ビタミンEIU0.5960.5960.447
チアミンmg0.3800.3400.220
リボフラビンmg1.8003.6003.000
パントテン酸mg10.0007.1906.400
ナイアシンmg4.50014.00014.000
ピリドキシンmg0.650.570.89
葉酸mg1.3000.8101.000
ビタミンB12mg0.0440.0250.053
コリンmg194該当なし333
lilya編集部
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