犬ごはんの食材解説

【牛レバー】手作り犬ごはんの食材解説(犬にあげていいか?、調理のポイント、栄養について)

Instagramで手作り犬ごはんのレシピや犬の健康に関する情報を発信しているリーリャ編集部(@lilya_foods)と申します。手作り犬ごはんの基本については手作り犬ごはんの作り方・レシピや注意点(量や食材、味付けなど)を解説で詳しく説明しています。
今回は、犬ごはんの食材のうち、牛レバーについて解説します。その他の犬ごはんの食材に関する記事はこちらです。

牛レバーを犬にあげていいか?あげる場合の注意点

牛レバーは基本的に犬にあげても大丈夫な食材です。一昔前は生食用としても提供され、レバ刺しやユッケなどでも食べることができましたが、安全に生食できる方法がなく重い食中毒避けられないため、平成24年(2012年)7月から生食用としての提供が禁止されました。稀にペット用で生食できるとして売られている場合も見かけますが、やめておいた方が良いでしょう。スーパーなどでもたまに見かけますが鶏レバー、豚レバーと比べると少ないかもしれません。他のレバーと同じく栄養価が高いですが、ビタミンAなどの摂りすぎによる過剰症のある栄養素も含まれています。ミネラルも豊富で、手作りごはんには取り入れたい食材ですが、適量を計量し補助的に使いましょう。

牛レバーに含まれている栄養素と主な効果

牛レバーの代表的な栄養素にはビタミンA亜鉛コリンなどが含まれています。

ビタミンA

目、皮膚、骨、粘膜の健康に大きく関わっています。特に視力を正常に保つ働きや粘膜によって病原体の侵入を防いで感染症を予防するなどの働きに関わっています。犬は緑黄色野菜などから摂取できるカロテンからビタミンAを合成する酵素を持っているため、緑黄色野菜からもビタミンAを摂取できます。牛レバーは鶏、豚と比べると少ない含有量ですが食材全体で見ると多く含まれている食材です。

鉄分にはヘム鉄と非ヘム鉄があり、ヘム鉄の方が吸収率が高く、動物性の食材に多く含まれます。非ヘム鉄であってもビタミンCと一緒に摂ることで吸収率がアップします。また、貯蔵鉄というかたちで肝臓や腎臓などに貯められ、足りなくなると補充されたり、運搬鉄というかたちで体内に運ばれます。牛レバーは鶏、豚と比べると少ない含有量です。

鉄の吸収を助け、ヘモグロビンの合成には欠かせません。また、補酵素として全身のさまざまな代謝に関わっています。特定の犬種では銅蓄積肝障害という病気を引き起こしやすいと言われています。手作りごはんでは不足しがちな栄養素の一つで、牛レバーは他の食材と比べても多く含まれています。

亜鉛

亜鉛は全身に分布し、体内のさまざまな代謝に関わってます。特に被毛や皮膚に多く存在するため、足りなくなると症状が出ることが多いとされています。体内の多くの酵素の働きをサポートし、炭水化物やたんぱく質の代謝にも関わっています。不足すると、皮膚や被毛の異常、発育の低下、生殖機能の低下が見られます。通常の場合、過剰になることは稀ですが、鉄や銅の欠乏につながる場合もあります。他にも大豆や納豆にも含まれています。牛レバーは鶏レバーと同じくらい含まれています。

コリン

脳の機能や細胞膜の動脈硬化や脂肪肝の予防に有効です。神経伝達物質であるコリンが不足すると神経障害や成長障害がおこりやすくなります。また脂肪肝や腎不全なども発症しやすくなります。水溶性なので過剰症はありません。
コリンは日本食品標準成分表などにも載っていないため米国農務省の食品データベースなどを調べる必要があります。こちらのサイトには調査したものを随時記載しています。

おすすめの調理方法や食材との組合せ

ビタミンAは脂溶性なので炒めると効率よく吸収できます
ビタミンCの多いピーマンやブロッコリー、カボチャなどと一緒に摂るとさらに皮膚や粘膜の健康に効果的です
しっかりと加熱調理をしましょう

こんな子におすすめ

目の健康に役立てたい
貧血気味の子
健康な皮膚や被毛に役立てたい

100g当たりの栄養成分

出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)
※コリンは米国農務省FoodData Centralを参照

栄養素単位成分値(生)
粗タンパク質g19.600
アルギニンg1.200
ヒスチジンg0.610
イソロイシンg0.920
ロイシンg1.900
リジンg1.600
メチオニンg0.480
メチオニン+シスチンg0.820
フェニルアラニンg1.100
フェニルアラニン+チロシンg1.810
トレオニンg0.960
トリプトファンg0.290
バリンg1.200
粗脂肪g3.700
リノール酸g0.200
カルシウムg0.005
リンg0.330
カルシウム:リン比1:66.000
カリウムg0.300
ナトリウムg0.055
塩素g0.084
マグネシウムg0.017
mg4.000
mg5.300
マンガンmg0.000
亜鉛mg3.800
ヨウ素mg0.004
セレンmg0.050
ビタミンAIU3666.667
ビタミンDIU0.000
ビタミンEIU0.447
チアミンmg0.220
リボフラビンmg3.000
パントテン酸mg6.400
ナイアシンmg14.000
ピリドキシンmg0.89
葉酸mg1.000
ビタミンB12mg0.053
コリンmg333.000

参考
厚生労働省 牛レバーを生食するのは、やめましょう(「レバ刺し」等)

lilya編集部
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