Instagramで手作り犬ごはんのレシピや犬の健康に関する情報を発信しているリーリャ編集部(@lilya_foods)と申します。手作り犬ごはんの基本については手作り犬ごはんの作り方・レシピや注意点(量や食材、味付けなど)を解説で詳しく説明しています。
今回は、犬ごはんの食材のうち、チンゲンサイについて解説します。その他の犬ごはんの食材に関する記事はこちらです。
青梗菜(チンゲンサイ)を犬にあげていいか?あげる場合の注意点
青梗菜(チンゲンサイ)は犬にあげても大丈夫な食材です。中華料理でおなじみの青梗菜は日本でも栽培されるようになり、一年を通して手に入れやすい食材です。あまりクセがないので、生でも食べられますが、加熱したほうが青臭さが抜けるので食べやすくなります。カルシウムなどのミネラルも多く含まれているので、手作りご飯にもおすすめです。少量ですがシュウ酸が含まれているので、心配な場合は下茹でしてから使いましょう。また、青梗菜などのアブラナ科の植物には、ゴイトロゲンという物質が含まれており、甲状腺を腫れさせる働きがあります。人間においては、大量に生食するなど非常識な食べ方をしなければ問題ないと言われています。甲状腺に疾患があり、心配であれば念の為獣医師に相談しましょう。
青梗菜(チンゲンサイ)に含まれている栄養素と主な効果
青梗菜の代表的な栄養素にはカリウム、カルシウム、リン、鉄、β-カロテン、ビタミンK、葉酸などが含まれています。
カリウム
ナトリウムとともに体内のph値の調整や水分の代謝に関わります。また、余分なナトリウムを体外に排出してくれます。カリウムは加熱によって大きく失われるので、他の食材とも合わせて積極的に摂るようにしたい栄養素です。
カルシウム
骨や歯を作ったり、細胞間の情報伝達や神経や脳の正常な働きを助けます。血液中のカルシウムが足りなくなると骨から放出されて使われます。そのため、不足状態が続くと骨が脆くなってしまいます。
リン
カルシウムと同様に骨や歯を作るのに欠かせません。また、DNAやRNAなどにも含まれるとともに、エネルギーの代謝にも関わっています。腎臓病用のフードにはリンが制限されていますが、これは腎臓の機能が低下すると、フィルターとしての役割が機能しなくなり、余分なリンが体内に溜まるようになります。その結果、腎臓病が悪化する要因となってしまいます。
鉄
全身へ酸素を運ぶ役割があります。鉄分にはヘム鉄と非ヘム鉄があり、ヘム鉄の方が吸収率が高く、動物性の食材に多く含まれます。貯蔵鉄というかたちで肝臓や腎臓などに貯められ、足りなくなると補充されたり、運搬鉄というかたちで体内に運ばれます。野菜などに含まれる非ヘム鉄はビタミンCと一緒に食べると、吸収率が上がるとされています。
β-カロテン
β-カロテンはビタミンAとして機能し、視力のサポートや、がんを抑制する抗酸化作用があると言われています。犬は、カロテンからビタミンAを合成する酵素を持っているため、緑黄色野菜からもビタミンAを摂取できます。
ビタミンK
血液の凝固に深くかかわる栄養素で、血液を正常な状態に保つために必要な栄養素です。出血した際に血を止める重要な役割がある一方で、血液の凝固を抑えることもできるので血栓の予防にも有効です。
葉酸
血液を作ったり、DNAの合成にも関わっています。体内で合成されますが、体内に蓄積される量が少ないこともあり食事からの摂取が必要です。また、ビタミンB6・ビタミンB12とともにメチオニンの合成に関わり、動脈硬化の抑制にも期待されています。
おすすめの調理方法や食材との組合せ
りんごや柿のビタミンCと合わせて鉄の吸収率をアップ。
少量の油で炒めてβ-カロテンを効率よく吸収。
こんな子におすすめ
手作りごはんにおいて、野菜からもミネラルを補給したい。
抗酸化作用を取り入れたい。
100g当たりの栄養成分
出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)
※コリンは米国農務省FoodData Centralを参照
栄養素 | 単位 | 成分値(生) | 成分値(茹で) |
粗タンパク質 | g | 0.600 | 0.900 |
アルギニン | g | 0.048 | 0.070 |
ヒスチジン | g | 0.019 | 0.028 |
イソロイシン | g | 0.034 | 0.049 |
ロイシン | g | 0.056 | 0.083 |
リジン | g | 0.047 | 0.070 |
メチオニン | g | 0.007 | 0.010 |
メチオニン+シスチン | g | 0.012 | 0.017 |
フェニルアラニン | g | 0.039 | 0.058 |
フェニルアラニン+チロシン | g | 0.065 | 0.096 |
トレオニン | g | 0.040 | 0.055 |
トリプトファン | g | 0.016 | 0.024 |
バリン | g | 0.046 | 0.067 |
粗脂肪 | g | 0.100 | 0.100 |
リノール酸 | g | 0.021 | 0.021 |
カルシウム | g | 0.100 | 0.120 |
リン | g | 0.027 | 0.027 |
カルシウム:リン比 | 1:0.270 | 1:0.225 | |
カリウム | g | 0.260 | 0.250 |
ナトリウム | g | 0.032 | 0.028 |
塩素 | g | ||
マグネシウム | g | 0.016 | 0.017 |
鉄 | mg | 1.100 | 0.700 |
銅 | mg | 0.070 | 0.060 |
マンガン | mg | 0.120 | 0.170 |
亜鉛 | mg | 0.300 | 0.200 |
ヨウ素 | mg | 0.000 | 0.000 |
セレン | mg | 0.001 | 0.000 |
ビタミンA | IU | 0.000 | 0.000 |
ビタミンD | IU | 0.000 | 0.000 |
ビタミンE | IU | 1.043 | 1.341 |
チアミン | mg | 0.030 | 0.030 |
リボフラビン | mg | 0.070 | 0.050 |
パントテン酸 | mg | 0.170 | 0.120 |
ナイアシン | mg | 0.300 | 0.300 |
ピリドキシン | mg | 0.08 | 0.04 |
葉酸 | mg | 0.066 | 0.053 |
ビタミンB12 | mg | 0.000 | 0.000 |
コリン | mg | 6.4 | 12.1 |