Instagramで手作り犬ごはんのレシピや犬の健康に関する情報を発信しているリーリャ編集部(@lilya_foods)と申します。手作り犬ごはんの基本については手作り犬ごはんの作り方・レシピや注意点(量や食材、味付けなど)を解説で詳しく説明しています。
今回は、手作り犬ごはんを作る時だけではなく普段の生活でも気をつけたい犬が食べると危険もしくは注意が必要な食べ物・食材について解説しています。
もし誤って食べてしまったら
危険なものを食べてしまったら自己判断せずに動物病院に連れて行ってください。食べて2時間以内くらいであれば、まだ胃の中に留まっている可能性があります。吐かせること自体が危険なものもあるので自宅で無理やり吐かせようとはしないでください。動物病院に連れて行く際は事前に連絡をして、食べたものと同じものがあれば持っていってください。また危険なものを口にしそうになったら大きな声で叱るとうっかり飲み込んでしまうことがあるので注意してください。
食べると危険な食べ物・食材
玉ねぎなどのネギ類(にんにく、しょうが、にらなども含む)
玉ねぎや長ネギだけでなく、あさつき、しょうが、にら、らっきょう、にんにくなどのネギ類はアリルプロピルジスルフィドという赤血球を破壊する成分が含まれており、いわゆる「タマネギ中毒」を起こします。食べると血尿が出るようになり、貧血が起こります。ただし、症状には個体差があり、食べても問題ない犬も少なくありません。よほど大量に食べ続けなければ、食べるのをやめれば症状は落ち着きますが、症状が治まらない場合は動物病院での治療が必要です。
キシリトール
キシリトールは強いインスリン作用があり低血糖を引き起こすことがあり、また急性の肝障害を引き起こす場合があります。キシリトールは人工甘味料として砂糖の代用品としてガム、歯磨き粉、キャンディなどに使われていますが、プラム、イチゴ、カリフラワーなどにも含まれています。特に注意しなければいけないケースとしてはボトルガムや歯磨き粉が落ちた拍子などにこぼれてしまい、それを犬が大量に口にしてしまう場合です。できるだけ犬が入らない場所などで保管しましょう。
ぶどう・レーズン
腎障害の原因となり、特に皮は食べさせないようにしてください。干したものほどではありませんが生のブドウも同様に腎障害になる可能性があります。
お菓子、特にチョコレート
犬は甘味を好むので喜んで食べますが、人間と同じように糖分の過剰摂取は肥満につながり、生活習慣病の原因となります。また、特にチョコレートはテオブロミンという成分が心臓や中枢神経を刺激して嘔吐、下痢、発熱、痙攣などの原因となり、ひどい場合は死に至ります。
アルコール
人間同様にアルコールの過剰摂取は中毒等の危険性があるため与えないようにしましょう。犬のアルコール中毒量は体重1kgあたり5gほどなので、これを超える量を摂取してしまうとアルコール中毒により死に至る可能性があります。
生のパン生地
お腹の中で発酵が進むことで生じるアルコールによる中毒や膨張による胃腸の圧迫などが懸念されるためご自宅でパンを作る際は注意してください。
生のイカタコ・貝類
生のイカ・タコ、貝類、エビなどの甲殻類はビタミンB1を破壊するチアミナーゼを含み、食べるとエネルギー不足を引き起こし、神経症状や運動失調などが起こります。必ず火を通すようにしましょう。チアミナーゼは生のワラビやゼンマイにも含まれ同様の症状を引き起こします。
アボカド
アボカドに含まれるペルシンが中毒症状の原因となり嘔吐や下痢を引き起こします。
魚や鳥の骨など内臓を傷つける恐れのあるもの
加熱した獣骨や魚の硬い骨は消化器に刺さる可能性があり、場合によっては手術により取り除く必要があります。生であれば問題ないという話もありますが、中には刺さる犬もいるため避けたほうが無難です。カルシウム源としては海藻や野菜もあります。もし骨を安心して与えたいのであれば圧力なべ等で刺さる心配のない状態にまでしてから与えましょう。
生卵の白身
生卵の白身に含まれるアビジンという成分がビタミンの一種であるビオチンの吸収を阻害します。長期にわたって大量に摂取すると疲れやすく、食欲不振になったり、皮膚炎を起こす場合があります。そのため卵は加熱してから与えましょう。
注意が必要な食材
食塩の強いもの
適量であれば問題ありませんが、塩分の過剰摂取は腎臓や心臓に負担をかけ、病気の原因となります。ジャーキーの食べすぎや、加工食品や食パンなどに注意しましょう。
加熱したイカ・タコ、甲殻類
イカ・タコやカニ、エビなどの甲殻類は加熱しても消化しにくいと下痢の原因になる場合があります。苦しんでいる場合は動物病院に連れていくべきですが、下痢をしても元気なら心配いりません。これらの食材はタウリンなどの有効成分を含んでいて体質改善に有効なので細かく刻んでよく煮込むなどひと手間かけてから与えてください。
乳糖を多く含むもの
牛乳は下痢の原因となるため出来るだけ避けたほうがいいです。手作り食の材料の一部として少量使う程度であれば問題ありません。ヨーグルトやカッテージチーズなどは問題ありません。
レバー
豚や鶏のレバーはビタミンAが多く含まれており、ビタミンAを過剰摂取すると食欲不振、関節炎の原因となります。手作りごはんでは不足しやすい亜鉛も含まれていますので、使用する際は計量して使うようにしましょう。
ほうれん草
シュウ酸が多く含まれているためシュウ酸カルシウム尿石症の原因となります。茹でてあく抜きすることでシュウ酸の量を減らすことができます。
コーヒーなどカフェインが多く含まれるもの
カフェインは、下痢や嘔吐、体温不調の原因となる場合があります。
生肉
有害な寄生虫や細菌がいる場合があるため注意が必要です。加熱してから与えてください。
香辛料
香辛料に対する耐性が低いため過剰摂取すると肝臓障害を引き起こす場合があります。
にぼし・のり
豊富に含まれるマグネシウムの過剰摂取が原因となって尿路疾患を引き起こす場合があります。特に、市販の総合栄養食のフードにはマグネシウムなどが必要な量が含まれています。総合栄養食を普段の食事にしている場合はあげすぎに注意しましょう。
食べ物ではないが身の回りにある危険なもの
観葉植物
スズラン、キョウチクトウ、チューリップ、ベゴニア、ポインセチア、クリスマスローズなど犬が食べてはいけない植物は多数あります。特にクリスマスなどのイベントシーズンにしか飾らない植物は注意が必要です。
保冷剤
最近は吸水性ポリマーに変わってきていますが、エチルグリコールが使われているものは要注意です。甘味があるので好んで食べてしまいますが、中毒症状を引き起こし死に至る場合があります。