犬ごはんの食材解説

【鰹(カツオ)】手作り犬ごはんの食材解説(犬にあげていいか?、調理のポイント、栄養について)

Instagramで手作り犬ごはんのレシピや犬の健康に関する情報を発信しているリーリャ編集部(@lilya_foods)と申します。手作り犬ごはんの基本については手作り犬ごはんの作り方・レシピや注意点(量や食材、味付けなど)を解説で詳しく説明しています。
今回は、犬ごはんの食材のうち、カツオについて解説します。その他の犬ごはんの食材に関する記事はこちらです。

鰹(カツオ)を犬にあげていいか?あげる場合の注意点

カツオは犬にあげても大丈夫な食材です。旬となるのは春に獲れる初ガツオと秋に獲れる戻りガツオがあります。餌を求めて北上する初ガツオは身が引き締まっており脂は少なめで、わずかですがたんぱく質は多いです。戻りガツオは餌をたくさん食べて脂がのった状態で南下してきます。
食べる際は、新鮮なものであれば生でも食べられますが、チアミナーゼという成分がチアミン(ビタミンB1)を分解してしまい、チアミン欠乏症になることがあります。刺身を食べてすぐに欠乏するわけではないですが、チアミナーゼは熱に弱いので加熱調理の方が無難です。
また、鮮度が落ちるとアレルギーの原因のヒスタミンが発生します。こちらは熱に強いので鮮度の良いものを選ぶようにしましょう。他にもカツオやアジ、サバなどに含まれる不飽和脂肪酸を撮りすぎると黄色脂肪症(イエローファット)という症状が出る場合があります。偏った食事は避けるようにしましょう。

鰹(カツオ)に含まれている栄養素と主な効果

カツオの代表的な栄養素にはビタミンAビタミンDDHA・EPAナイアシンなどが含まれています。

ビタミンA

目、皮膚、骨、粘膜の健康に大きく関わっています。特に視力を正常に保つ働きや粘膜によって病原体の侵入を防いで感染症を予防するなどの働きに関わっています。
犬は緑黄色野菜などから摂取できるカロテンからビタミンAを合成する酵素を持っているため、緑黄色野菜からもビタミンAを摂取できます。
ビタミンAは過剰症があるため、誤食などで一度に大量に食べないようにした方が良いでしょう。

ビタミンD

カルシウムやリンの吸収を促進させる働きがあり、丈夫な骨づくりに必要なビタミンです。
成長期には特に重要になります。また血中カルシウム濃度の調整にも深くかかわっています。カルシウムの摂取が十分で、ビタミンDが正常に機能していれば歯や骨の健康が維持されるだけでなく、ストレス解消などにも貢献します。
摂りすぎると下痢や嘔吐などの過剰症があり、AAFCOの栄養基準にも上限値が設けられています。偏った取り入れ方やサプリとの併用する際は注意が必要です。

鉄分にはヘム鉄と非ヘム鉄があり、ヘム鉄の方が吸収率が高く、動物性の食材に多く含まれます。非ヘム鉄であってもビタミンCと一緒に摂ることで吸収率がアップします。
また、貯蔵鉄というかたちで肝臓や腎臓などに貯められ、足りなくなると補充されたり、運搬鉄というかたちで体内に運ばれます。

DHA・EPA

テレビなどでもよく見かける栄養素でDHAはドコサヘキサエン酸、EPAはエイコサペンタエン酸のことを指します。オメガ3脂肪酸で、海水魚の魚油に多く含まれています。炎症を抑える作用や、がんを抑制したり脳機能を向上させるなどの効果があるとされています。

ナイアシン

ナイアシンは動物性食品や豆類、果実類に多く含まれる水溶性のビタミンで、ビタミンB群の1種です。 役割としては糖質や脂質の代謝を促進する補酵素として機能し、また皮膚や粘膜の強化にも貢献しています。加えて、脳の神経伝達物質の生成にも不可欠なため、脳神経の働きにも大きく作用しています。

おすすめの調理方法や食材との組合せ

小松菜や水菜と合わせてカルシウムを効率的に摂取。
鰹出汁をフードにかけて嗜好性アップ。

こんな子におすすめ

痴呆予防や脳の活性化をしたい。
運動量が多く、身体作りをしたい。

100g当たりの栄養成分

出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)
※コリンは米国農務省FoodData Centralを参照

栄養素単位春獲りカツオ秋獲りカツオ
粗タンパク質g25.80025.000
アルギニンg1.4001.400
ヒスチジンg2.5002.400
イソロイシンg1.0001.100
ロイシンg1.8001.800
リジンg2.1002.100
メチオニンg0.7000.700
メチオニン+シスチンg0.9700.970
フェニルアラニンg0.9200.930
フェニルアラニン+チロシンg1.7501.760
トレオニンg1.2001.100
トリプトファンg0.3200.310
バリンg1.2001.200
粗脂肪g0.5006.200
リノール酸g0.0050.085
カルシウムg0.0110.008
リンg0.2800.260
カルシウム:リン比25.45532.500
カリウムg0.4300.380
ナトリウムg0.0430.038
塩素g
マグネシウムg0.0420.038
mg1.9001.900
mg0.1100.100
マンガンmg0.0100.010
亜鉛mg0.8000.900
ヨウ素mg0.0110.025
セレンmg0.0430.100
ビタミンAIU16.66766.667
ビタミンDIU160.000360.000
ビタミンEIU0.4470.149
チアミンmg0.1300.100
リボフラビンmg0.1700.160
パントテン酸mg0.7000.610
ナイアシンmg19.00018.000
ピリドキシンmg0.760.76
葉酸mg0.0060.004
ビタミンB12mg0.0080.009
コリンmg情報なし情報なし
lilya編集部
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