Instagramで手作り犬ごはんのレシピや犬の健康に関する情報を発信しているリーリャ編集部(@lilya_foods)と申します。手作り犬ごはんの基本については手作り犬ごはんの作り方・レシピや注意点(量や食材、味付けなど)を解説で詳しく説明しています。
今回は、犬ごはんの食材のうち、マグロについて解説します。その他の犬ごはんの食材に関する記事はこちらです。
【鮪(マグロ)】を犬にあげていいか?あげる場合の注意点
鮪(マグロ)は犬にあげても大丈夫な食材です。いくつか種類がありますが、人気が高い本鮪と呼ばれるものはクロマグロと呼ばれるものです。缶詰にはキハダマグロが多く使われています。
生でも食べることはできますが、ビタミンB1(チアミン)を破壊するチアミナーゼという酵素が多く含まれています。過度に食べると欠乏症が出てしまう可能性があります。刺身用でも加熱して手作りフードに使用したほうが安心です。
また、マグロなどの大型の魚は水銀が多く含まれる場合があります。水銀は中枢神経に障害を与える可能性もあるため、食べ過ぎには注意しましょう。
また、鮮度が落ちるとアレルギーの原因のヒスタミンが発生します。こちらは熱に強いので鮮度の良いものを選ぶようにしましょう。他にもマグロの他にもカツオやアジ、サバなどに含まれる不飽和脂肪酸を撮りすぎると黄色脂肪症(イエローファット)という症状が出る場合があります。偏った食事は避けるようにしましょう。
【鮪(マグロ)】に含まれている栄養素と主な効果
マグロの代表的な栄養素にはたんぱく質、リン、ビタミンD、EPA・DHA、ビタミンB6などが含まれています。
たんぱく質
筋肉や臓器、皮膚など体の基本となる組織を作り、生命活動を維持するために必要な栄養素です。成長促進や免疫力の向上など身体的なこと以外に脳の活性化や精神の安定などにも影響します。肉類と同じく、魚類もアミノ酸のバランスが良く良質なたんぱく質です。筋が少ないので消化しやすいと言われています。
リン
カルシウムと同様に骨や歯を作るのに欠かせません。また、DNAやRNAなどにも含まれるとともに、エネルギーの代謝にも関わっています。
腎臓病用のフードにはリンが制限されていますが、これは腎臓の機能が低下すると、フィルターとしての役割が機能しなくなり、余分なリンが体内に溜まるようになります。その結果、腎臓病が悪化する要因となってしまいます。
ビタミンD
カルシウムやリンの吸収を促進させる働きがあり、丈夫な骨づくりに必要なビタミンです。
成長期には特に重要になります。また血中カルシウム濃度の調整にも深くかかわっています。カルシウムの摂取が十分で、ビタミンDが正常に機能していれば歯や骨の健康が維持されるだけでなく、ストレス解消などにも貢献します。
摂りすぎると下痢や嘔吐などの過剰症があり、AAFCOの栄養基準にも上限値が設けられています。偏った取り入れ方やサプリとの併用する際は注意が必要です。
DHA・EPA
テレビなどでもよく見かける栄養素でDHAはドコサヘキサエン酸、EPAはエイコサペンタエン酸のことを指します。オメガ3脂肪酸で、海水魚の魚油に多く含まれています。炎症を抑える作用や、がんを抑制したり脳機能を向上させるなどの効果があるとされています。
ビタミンB6
肉類(たんぱく質)の代謝に必要不可欠なビタミンで、たんぱく質を多く摂取するほどたくさんのビタミンB6が必要になります。神経系にも関わっており、てんかんの種類によってはビタミンB6の不足がみられる場合もあります。
おすすめの調理方法や食材との組合せ
トマトやピーマンなどの緑黄色野菜と合わせて抗酸化作用をプラス
小松菜や水菜と合わせてカルシウムをプラス
こんな子におすすめ
痴呆予防や脳の活性化をしたい
運動量が多く、身体作りをしたい
100g当たりの栄養成分
出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)
※コリンは米国農務省FoodData Centralを参照
栄養素 | 単位 | クロマグロ | ビンナガマグロ | メバチマグロ | キハダマグロ |
粗タンパク質 | g | 26.400 | 26.000 | 25.400 | 24.300 |
アルギニン | g | 1.500 | 1.500 | 1.500 | 1.400 |
ヒスチジン | g | 2.500 | 1.600 | 1.700 | 2.100 |
イソロイシン | g | 1.200 | 1.200 | 1.200 | 1.100 |
ロイシン | g | 2.000 | 2.000 | 2.000 | 1.800 |
リジン | g | 2.300 | 2.300 | 2.300 | 2.100 |
メチオニン | g | 0.760 | 0.750 | 0.760 | 0.720 |
メチオニン+シスチン | g | 1.020 | 1.040 | 1.030 | 0.960 |
フェニルアラニン | g | 0.980 | 1.000 | 1.000 | 0.910 |
フェニルアラニン+チロシン | g | 1.870 | 1.910 | 1.930 | 1.740 |
トレオニン | g | 1.200 | 1.300 | 1.300 | 1.200 |
トリプトファン | g | 0.300 | 0.320 | 0.320 | 0.270 |
バリン | g | 1.400 | 1.400 | 1.400 | 1.200 |
粗脂肪 | g | 1.400 | 0.700 | 2.300 | 1.000 |
リノール酸 | g | 0.008 | 0.007 | 0.013 | 0.006 |
カルシウム | g | 0.005 | 0.009 | 0.003 | 0.005 |
リン | g | 0.270 | 0.310 | 0.270 | 0.290 |
カルシウム:リン比 | 1:54 | 1:34 | 1:90 | 1:58 | |
カリウム | g | 0.380 | 0.440 | 0.440 | 0.450 |
ナトリウム | g | 0.049 | 0.038 | 0.039 | 0.043 |
塩素 | g | ||||
マグネシウム | g | 0.045 | 0.041 | 0.035 | 0.037 |
鉄 | mg | 1.100 | 0.900 | 0.900 | 2.000 |
銅 | mg | 0.040 | 0.050 | 0.030 | 0.060 |
マンガン | mg | 0.010 | 0.010 | 0.000 | 0.010 |
亜鉛 | mg | 0.400 | 0.500 | 0.400 | 0.500 |
ヨウ素 | mg | 0.014 | 0.012 | 0.018 | 0.014 |
セレン | mg | 0.110 | 0.071 | 0.075 | 0.074 |
ビタミンA | IU | 276.667 | 13.333 | 56.667 | 6.667 |
ビタミンD | IU | 200.000 | 280.000 | 144.000 | 240.000 |
ビタミンE | IU | 1.192 | 1.043 | 1.341 | 0.596 |
チアミン | mg | 0.100 | 0.130 | 0.090 | 0.150 |
リボフラビン | mg | 0.050 | 0.100 | 0.050 | 0.090 |
パントテン酸 | mg | 0.410 | 0.310 | 0.150 | 0.360 |
ナイアシン | mg | 14.000 | 21.000 | 15.000 | 18.000 |
ピリドキシン | mg | 0.85 | 0.94 | 0.76 | 0.64 |
葉酸 | mg | 0.008 | 0.004 | 0.005 | 0.005 |
ビタミンB12 | mg | 0.001 | 0.003 | 0.001 | 0.006 |
コリン | mg | 65 | 情報なし | 情報なし | 65 |