Instagramで手作り犬ごはんのレシピや犬の健康に関する情報を発信しているリーリャ編集部(@lilya_foods)と申します。手作り犬ごはんの基本については手作り犬ごはんの作り方・レシピや注意点(量や食材、味付けなど)を解説で詳しく説明しています。
今回は、犬ごはんの食材のうち、しらすについて解説します。その他の犬ごはんの食材に関する記事はこちらです。
しらすを犬にあげていいか?あげる場合の注意点
しらすは犬にあげても大丈夫な食材です。主にイワシやアユ、ニシンなど体に色素がない稚魚の総称ですが、一般的にはカタクチイワシの稚魚が多いようです。茹でたものを釜揚げしらす、干したものをしらす干しといい乾燥具合や地域で呼び名が変わります。しらすは加工する段階で塩が添加されることが多いので、与えすぎないようにした方が安心です。AAFCO(米国飼料検査官協会)では、過剰症が出る前に嗜好性の低下し食べる量が減るとして、ナトリウムの上限値は決められていませんが、心臓病などの疾患時には塩分を制限した方が良いとされる場合がありますので注意しましょう。健康であれば塩分も必要な栄養素なので、トッピングや手作りごはんでたまに取り入れるのも良いかと思います。心配な場合は無塩のものや犬用のものを選びましょう。
しらすに含まれている栄養素と主な効果
しらすの代表的な栄養素にはナトリウム、カリウム、カルシウム、セレン、ビタミンD、DHA・EPAなどが含まれています。
ナトリウム
カリウムとバランスをとりながら体内の浸透圧やphを調節したり、水分代謝に関わっています。手作りごはんでは、茹でこぼしたりしてナトリウム量を排除するように調理することもできますが、健康な場合は不要です。
カリウム
ナトリウムとともに体内のph値の調整や水分の代謝に関わります。また、余分なナトリウムを体外に排出してくれます。カリウムは加熱によって大きく失われるので、他の食材とも合わせて積極的に摂るようにしたい栄養素です。
カルシウム
骨や歯を作ったり、細胞間の情報伝達や神経や脳の正常な働きを助けます。血液中のカルシウムが足りなくなると骨から放出されて使われます。そのため、不足状態が続くと骨が脆くなってしまいます。
セレン
セレンはビタミンEやSODとともに体を酸化から守る、グルタチオンペルオキシターゼという物質の構成成分です。いわゆる抗酸化作用という、細胞が酸化により破壊されるのを防ぐ働きをしてくれます。また、セレンは主に十二指腸から吸収されるので、腸内環境を健康に保つことも大切な要因です。
ビタミンD
カルシウムやリンの吸収を促進させる働きがあり、丈夫な骨づくりに必要なビタミンです。成長期には特に重要になります。また血中カルシウム濃度の調整にも深くかかわっています。カルシウムの摂取が十分で、ビタミンDが正常に機能していれば歯や骨の健康が維持されるだけでなく、ストレス解消などにも貢献します。摂りすぎると下痢や嘔吐などの過剰症があり、AAFCOの栄養基準にも上限値が設けられています。偏った取り入れ方やサプリとの併用する際は注意が必要です。
DHA・EPA
テレビなどでもよく見かける栄養素でDHAはドコサヘキサエン酸、EPAはエイコサペンタエン酸のことを指します。オメガ3脂肪酸で、海水魚の魚油に多く含まれています。炎症を抑える作用や、がんを抑制したり脳機能を向上させるなどの効果があるとされています。青魚ほどではないですが、しらすにも含まれています。
おすすめの調理方法や食材との組合せ
きのこのビタミンDと合わせてカルシウムを効果的に摂取。
カボチャやピーマンなどの緑黄色野菜と合わせて抗酸化作用をプラス。
しらすを使ったレシピはこちらをご覧ください。
こんな子におすすめ
カルシウム補給に役立てたい。
トッピングにして嗜好性を高めたい。
100g当たりの栄養成分
出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)
※コリンは米国農務省FoodData Centralを参照
栄養素 | 単位 | しらす(生) | 釜揚げしらす | しらす干し(日乾燥) |
粗タンパク質 | g | 15.000 | 17.600 | 24.500 |
アルギニン | g | 0.870 | 1.000 | 1.500 |
ヒスチジン | g | 0.400 | 0.470 | 0.600 |
イソロイシン | g | 0.620 | 0.720 | 1.000 |
ロイシン | g | 1.100 | 1.300 | 1.900 |
リジン | g | 1.200 | 1.400 | 2.100 |
メチオニン | g | 0.390 | 0.460 | 0.660 |
メチオニン+シスチン | g | 0.540 | 0.640 | 0.920 |
フェニルアラニン | g | 0.560 | 0.660 | 0.970 |
フェニルアラニン+チロシン | g | 1.080 | 1.260 | 1.870 |
トレオニン | g | 0.680 | 0.800 | 1.200 |
トリプトファン | g | 0.160 | 0.190 | 0.290 |
バリン | g | 0.750 | 0.870 | 1.200 |
粗脂肪 | g | 1.300 | 1.700 | 2.100 |
リノール酸 | g | 0.010 | 0.013 | 0.015 |
カルシウム | g | 0.210 | 0.190 | 0.280 |
リン | g | 0.340 | 0.320 | 0.480 |
カルシウム:リン比 | 1:1.619 | 1:1.684 | 1:1.714 | |
カリウム | g | 0.340 | 0.120 | 0.170 |
ナトリウム | g | 0.380 | 0.840 | 1.700 |
塩素 | g | |||
マグネシウム | g | 0.067 | 0.048 | 0.080 |
鉄 | mg | 0.400 | 0.300 | 0.600 |
銅 | mg | 0.020 | 0.030 | 0.060 |
マンガン | mg | 0.070 | 0.090 | 0.100 |
亜鉛 | mg | 1.100 | 1.100 | 1.700 |
ヨウ素 | mg | 0.000 | 0.013 | 0.027 |
セレン | mg | 0.000 | 0.039 | 0.061 |
ビタミンA | IU | 366.667 | 466.667 | 633.333 |
ビタミンD | IU | 268.000 | 168.000 | 480.000 |
ビタミンE | IU | 1.341 | 1.192 | 1.639 |
チアミン | mg | 0.020 | 0.070 | 0.110 |
リボフラビン | mg | 0.070 | 0.040 | 0.030 |
パントテン酸 | mg | 0.510 | 0.300 | 0.500 |
ナイアシン | mg | 3.700 | 2.100 | 2.600 |
ピリドキシン | mg | 0.17 | 0.05 | 0.05 |
葉酸 | mg | 0.056 | 0.026 | 0.027 |
ビタミンB12 | mg | 0.004 | 0.002 | 0.003 |
コリン | mg | 情報なし | 情報なし | 情報なし |