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高タンパクなドッグフードは良いフード?気をつけるポイントや食材も解説

Instagramで手作り犬ごはんのレシピや犬の健康に関する情報を発信しているリーリャ編集部(@lilya_foods)と申します。手作り犬ごはんの基本については手作り犬ごはんの作り方・レシピや注意点(量や食材、味付けなど)を解説で詳しく説明しています。
今回は、高タンパクなドッグフードは良いフードなのか、気をつけるポイントや食材を解説します。

ドッグフードには様々な種類のものがあり、どれを選べば良いのか迷うことも多いと思います。高タンパクフードはいくつかの大手メーカーもあります。高タンパクフードは賛否両論ありますが、どう言ったものなのか見ていきましょう。

犬に必要なタンパク質とは?高タンパクのドッグフード選び方のポイント

犬の祖先は肉食であるオオカミという事はよく知られていますが、肉食寄りの雑食に進化したという説が一般的です。タンパク質は肉や魚などの動物性タンパク質以外にも、豆や野菜、米などにも含まれています。植物性のものは細胞壁という硬い壁に栄養素が守られているので、消化されにくい特徴があります。アレルギーなどの特別な事情がない限りは肉・魚も取り入れましょう。また、タンパク質の栄養価を示す指標として、アミノ酸スコアがありますが、これは人間の必須アミノ酸(9種類)での話です。犬はこれにアルギニンが加わる10種類ですので、アミノ酸スコアは参考程度にみた方が良いと思います。複数のタンパク源を組み合わせている場合は、足りないアミノ酸を補うように配合させる狙いもあるようです。何%以上が高タンパクフードという決まりはありませんが、超高タンパク・高タンパクフードで有名なメーカーでは、30%~40%前後が多いようです。脂質は18%程度~30%前後と開きがあります。一般的なドッグフードでは15%程度が多いようですが、急に低脂質から高脂質な食事に変えると、急性膵炎になってしまう可能性もあるので、今のフードとの差も見るようにしましょう。

必須アミノ酸

人間
イソロイシン
ロイシン
リジン
メチオニン+シスチン
フェニルアラニン+チロシン
スレオニン
トリプトファン
バリン
ヒスチジン
アルギニン
タウリン

アミノ酸スコアとは?

タンパク質の栄養価を示す指標で、人間の必須アミノ酸が食品にどれだけ含まれているかを100点満点で示すものです。タンパク質はアミノ酸から作られていますが、どれか一種類のアミノ酸含有量が低いと他のアミノ酸も一番低い量に合わせて利用されます。9種類の必須アミノ酸がバランスよく含まれていると、効率よく利用されるのでアミノ酸スコアが高いと言えます。アミノ酸スコアは人間の必須アミノ酸での話なので、そのまま動物には当てはまりません。あまり神経質にならずに参考程度にしておきましょう。

アミノ酸スコア100の食材

鶏卵、牛乳、牛肉、豚肉、鶏肉、魚類など

高タンパクなドッグフードのメリットとデメリットとは?

メリット

・特に運動量の多い犬には、健康的な筋肉づくりに役立つ

室内でもよく遊んだり、たくさん散歩をしたりアジリティなどのスポーツが好きな場合は高タンパク・高脂質なフードが向いているでしょう。必要なエネルギー(カロリー)を摂ることができ、筋肉質な身体作りに役立てることができます。

・タンパク質・脂質が高いと嗜好性が増す傾向がある

犬はタンパク質・脂質が多く含まれているフードを好む傾向があるので、食の関心が薄かったり選り好みがある場合は効果があるかもしれません。

デメリット

・腎臓・肝臓などへの負荷がはっきりしていない

タンパク質の腎臓病への影響ははっきりしていませんが、タンパク質の多い食材はリンが多い傾向があります。腎臓病の場合、リンを抑えることが食事療法として行われるので特に肉類は不向きなものとなりがちです。

・その他の栄養素も含めてバランスが良いかわからない

高タンパクフードは脂質も高めなものもあります。室内でゆったりしている時間が多い場合は、カロリーオーバーになり、肥満になってしまうかもしれません。

・タンパク質を制限した療法食への切り替えがスムーズにいかない場合がある

高タンパクフードは香りや風味がはっきりしているものが多く、嗜好性が高い傾向があります。かたや療法食は、必要に応じて低タンパク・低脂質・低ナトリウムのように調整されており、味気ない(美味しくない)場合もあり、スムーズに切り替えられないことも考えられます。

犬の成長期には高タンパクなドッグフードが必要?

AAFCO2016(米国資料検査官協会)の栄養基準では、成犬用は18%、子犬用では22.5%が最低でも含まれているように決められています。骨や内臓の成長がひと段落した成犬とは異なり、子犬はこれからどんどん成長していきます。体内の多くがタンパク質でできている通り、多くのタンパク質が必要になります。

ドッグフードのタンパク質源としておすすめな食材とは?

市販のフードの場合

動物性のタンパク源が消化吸収しやすいと言われています。よく使われる食材では鶏肉、牛肉、ラム、魚類があげられるほか、鹿やカンガルー、ダチョウなどを使い、アレルギーに配慮したものもあります。大豆やコーン、エンドウ豆などにもタンパク質は含まれます。また、タンパク源の質にも注目するようにしましょう。〇〇類・〇〇ミールなど曖昧な表現だとどのような状態のものを加工したのかがわかりません。相性もありますが、できれば原材料がはっきりとしたものを選ぶ方が安心です。

手作りごはんの場合

特別な事情がない限りは、動物性のタンパク質を中心にしたほうがバランスの良いタンパク源と言われています。部位によって含まれるタンパク質・脂質などのバランスは異なりますが、鶏むね肉(皮なし)やささみは高タンパク・低脂質はでお馴染みです。牛肉は高カロリーですが、亜鉛など不足しがちな栄養素も含まれています。豚肉はビタミンB群で疲労回復効果が知られています。市販フードとは違い、どのような食材が使われているのかがわかることが特徴です。また、魚はタラのように低脂質なものもあれば、サバのようにDHA・EPAが豊富に含まれているものもあります。

シニア犬には高タンパクなドッグフードは必要?気をつけるポイント

年齢を重ねてきて、運動量が減ってくるとドッグフードを見直した方が良いかもしれません。運動量に対して食事中のカロリーが多いと肥満につながるかもしれないからです。同じフードで単純に量を減らすと、必要な栄養素がとれなくなってしまうので、カロリーを下げて必要な量をあげるようにしましょう。タンパク質量を極端に減らすと、筋肉が十分に作ることができず、体重が減る場合も考えられます。体調や生活スタイルを見ながら選ぶようにしましょう。また、疾患などでタンパク質の制限が必要な場合は、獣医師の指示に従うようにしましょう。

まとめ

タンパク質は必須栄養素のひとつで大切な栄養素のひとつです。今回は高タンパクフードについて解説しましたが、タンパク源の質にも気をかけた方が良いでしょう。「高タンパクなフードは自然に近い食事だから良い食事」というような謳い文句を見たことがあるかもしれませんが、それは考えのひとつにすぎません。自然に近い食事が必要なら、自然に近い生活が必要になりそうですが、室内で過ごす時間が多ければ現実的ではありません。大切なことは日々の生活スタイル、運動量、体調などを考慮した食事ではないでしょうか。

lilya編集部
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