Instagramで手作り犬ごはんのレシピや犬の健康に関する情報を発信しているリーリャ編集部（@lilya_foods）と申します。手作り犬ごはんの基本については手作り犬ごはんの作り方・レシピや注意点（量や食材、味付けなど）を解説で詳しく説明しています。
今回は、犬ごはんの食材のうち、豚もも肉について解説します。その他の犬ごはんの食材に関する記事はこちらです。
豚もも肉を犬にあげていいか？あげる場合の注意点
豚もも肉は犬にあげても大丈夫な食材です。豚肉の中で最も低脂質な部位はヒレ肉ですが、他の部位に比べると価格は高くなります。もも肉はヒレよりもやや脂質は多いですが、価格は抑えめなので日常的に取り入れやすいのではないでしょうか。疲労回復に効果があるビタミンBぐんを豊富に含むので、運動量の多いコや、夏バテ気味のときなどにおすすめです。
調理の際は、肉類なのでもちろん加熱するようにしましょう。また、下の表にある「脂身」は表面の大きな脂身のことで、筋肉と筋肉の間の脂肪（筋間脂肪）は含まれた数値となっています。脂身も、焼くときに一緒に使うと別で食用油を使わなくて済むというメリットもあります。
豚もも肉に含まれている栄養素と主な効果
豚もも肉の代表的な栄養素にはタンパク質、ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、コリンなどが含まれています。
タンパク質
筋肉や臓器、皮膚など体の基本となる組織を作り、生命活動を維持するために必要な栄養素です。成長促進や免疫力の向上など身体的なこと以外に脳の活性化や精神の安定などにも影響します。
肉や魚に含まれる動物性たんぱく質は必須アミノ酸がバランスよく含まれるので効率よく摂取することができます。ただ、動物性たんぱく質には脂肪やコレステロールも多く含まれているため、気になる場合は豆類や穀類などに含まれている植物性たんぱく質と組み合わせてみてください。
ビタミンB1
ビタミンB1はエネルギー源となる糖質を分解して代謝を助ける役割があり、疲労を回復する役割もあります。糖質を分解してエネルギーに変換する役割があります。そのため糖質を摂取してもビタミンB1が不足していると、糖質をエネルギーに変えることができません。また糖質の代謝が滞ると乳酸などの疲労物質が蓄積するため疲れやすくなってしまいます。運動直後やエネルギー消費が多い時は積極的に取り入れたい栄養素です。
ビタミンB2
ビタミンB2は、皮膚の健康や被毛の質向上に寄与し、成長を支える役割があります。ビタミンAと同様に皮膚や粘膜の健康をサポートしたり、傷の治りを早めることにも役に立っています。また、体内のエネルギー生成に関わっており、糖質、資質、タンパク質をエネルギーに変える役割があります。
ナイアシン
ナイアシンは動物性食品や豆類、果実類に多く含まれる水溶性のビタミンで、ビタミンB群の1種です。 役割としては糖質や脂質の代謝を促進する補酵素として機能し、また皮膚や粘膜の強化にも貢献しています。加えて、脳の神経伝達物質の生成にも不可欠なため、脳神経の働きにも大きく作用しています。
コリン
コリンはリンと結合してレシチンとなり細胞膜や神経組織のもとになります。また神経伝達物質であるアセチルコリンの材料にもなります。レシチンはコレステロールの沈着を抑制する作用があり、アセチルコリンには血液の循環を良くする作用があります。そのため、コリンの摂取は動脈硬化や脂肪肝の予防に有効です。コリンは体内でも合成されていますが、要求量が多いため必要量を賄うためには食事で補う必要があります。
コリンは日本食品標準成分表などにも載っていないため米国農務省の食品データベースなどで調べる必要があります。
おすすめの調理方法や食材との組合せ
豚肉に含まれる脂質とカボチャやにんじんなどに含まれる脂溶性ビタミンを合わせて、効率的に栄養を取り入れることができます。緑黄色野菜と合わせて抗酸化作用を取り入れましょう。
豚もも肉を使ったレシピはこちらをご覧ください。
こんな子におすすめ
運動量が多いコ。
鶏肉がアレルギーなどで食べられない場合にも有用。
100g当たりの栄養成分
出典：日本食品標準成分表２０２０年版（八訂）
※コリンは米国農務省FoodData Centralを参照
| 栄養素 | 単位 | 脂身つき・生 | 脂身なし・生 | 脂身なし・焼き |
| 粗タンパク質 | g | 20.500 | 21.500 | 30.200 |
| アルギニン | g | 1.300 | 1.400 | 2.100 |
| ヒスチジン | g | 0.860 | 0.910 | 1.200 |
| イソロイシン | g | 0.900 | 0.980 | 1.500 |
| ロイシン | g | 1.600 | 1.700 | 2.600 |
| リジン | g | 1.700 | 1.900 | 2.800 |
| メチオニン | g | 0.560 | 0.600 | 0.840 |
| メチオニン＋シスチン | g | 0.800 | 0.860 | 1.210 |
| フェニルアラニン | g | 0.810 | 0.850 | 1.300 |
| フェニルアラニン+チロシン | g | 1.510 | 1.620 | 2.500 |
| トレオニン | g | 0.910 | 1.000 | 1.600 |
| トリプトファン | g | 0.260 | 0.270 | 0.400 |
| バリン | g | 1.000 | 1.100 | 1.600 |
| 粗脂肪 | g | 10.200 | 6.000 | 7.600 |
| リノール酸 | g | 1.100 | 0.560 | 0.660 |
| カルシウム | g | 0.004 | 0.004 | 0.005 |
| リン | g | 0.200 | 0.210 | 0.270 |
| カルシウム：リン比 | 1：50.000 | 1：52.500 | 1：54.000 | |
| カリウム | g | 0.350 | 0.360 | 0.450 |
| ナトリウム | g | 0.047 | 0.049 | 0.058 |
| 塩素 | g | 0.072 | 0.075 | 0.089 |
| マグネシウム | g | 0.024 | 0.025 | 0.033 |
| 鉄 | mg | 0.700 | 0.700 | 1.000 |
| 銅 | mg | 0.080 | 0.080 | 0.110 |
| マンガン | mg | 0.010 | 0.010 | 0.020 |
| 亜鉛 | mg | 2.000 | 2.100 | 3.100 |
| ヨウ素 | mg | 0.000 | 0.000 | 0.000 |
| セレン | mg | 0.000 | 0.023 | 0.031 |
| ビタミンA | IU | 13.333 | 10.000 | 3.333 |
| ビタミンD | IU | 4.000 | 4.000 | 4.000 |
| ビタミンE | IU | 0.447 | 0.447 | 0.000 |
| チアミン | mg | 0.900 | 0.940 | 1.190 |
| リボフラビン | mg | 0.210 | 0.220 | 0.280 |
| パントテン酸 | mg | 0.840 | 0.870 | 1.070 |
| ナイアシン | mg | 6.200 | 6.500 | 9.400 |
| ピリドキシン | mg | 0.31 | 0.32 | 0.43 |
| 葉酸 | mg | 0.002 | 0.002 | 0.001 |
| ビタミンB12 | mg | 0.000 | 0.000 | 0.001 |
| コリン | mg | 情報なし | 72.3 | 101 |
