鶏もも肉を犬にあげていいか?あげる場合の注意点
鶏胸肉は犬にあげても大丈夫な食材です。市販のドライフードにもよく使われている、メジャーな食材のひとつです。よく動かす部分なので弾力のある肉質です。タンパク質を構成するアミノ酸のバランスも良く、良質なタンパク源になります。皮付きと皮なしでは脂質が倍以上異なるので注意しましょう。脂質も必要な栄養素ですが、脂質の摂取を控えていた場合、急に脂質を摂ると消化不良や急性膵炎になってしまう危険性があります。高タンパク・低脂質な鶏むね肉と比べると脂質が多いですが、合わせる食材や体調によって使い分けても良いと思います。また、他の肉類も同じですが、調理の際はウイルスなどによる食中毒の危険性があるので生食は避け、加熱調理をしましょう。一年を通して手に入りやすく、値段も安価なのでアレルギーがなければ積極的に使いたい食材のひとつと言えます。
鶏もも肉に含まれている栄養素と主な効果
鶏もも肉の代表的な栄養素にはタンパク質、ビタミンK、セレン、亜鉛、コリンなどが含まれています。
タンパク質
筋肉や臓器、皮膚など体の基本となる組織を作り、生命活動を維持するために必要な栄養素です。成長促進や免疫力の向上など身体的なこと以外に脳の活性化や精神の安定などにも影響します。また、肉類と同じく魚類もアミノ酸のバランスが良く良質なタンパク質です。アレルギーがなければいろいろな食材から取り入れるようにしましょう。
ビタミンK
血液の凝固に深くかかわる栄養素で、血液を正常な状態に保つために必要な栄養素です。出血した際に血を止める重要な役割がある一方で、血液の凝固を抑えることもできるので血栓の予防にも有効です。
セレン
セレンはビタミンEやSODとともに体を酸化から守る、グルタチオンペルオキシターゼという物質の構成成分です。いわゆる抗酸化作用という、細胞が酸化により破壊されるのを防ぐ働きをしてくれます。また、セレンは主に十二指腸から吸収されるので、腸内環境を健康に保つことも大切な要因です。
亜鉛
亜鉛は全身に分布し、体内のさまざまな代謝に関わってます。特に被毛や皮膚に多く存在するため、足りなくなると症状が出ることが多いとされています。体内の多くの酵素の働きをサポートし、炭水化物やたんぱく質の代謝にも関わっています。不足すると、皮膚や被毛の異常、発育の低下、生殖機能の低下が見られます。通常の場合、過剰になることは稀ですが、鉄や銅の欠乏につながる場合もあります。鶏もも肉以外にも牛肉やレバー、牡蠣に多く含まれています。
コリン
脳の機能や細胞膜の動脈硬化や脂肪肝の予防に有効です。神経伝達物質であるコリンが不足すると神経障害や成長障害がおこりやすくなります。また脂肪肝や腎不全なども発症しやすくなります。水溶性なので過剰症はありません。コリンは日本食品標準成分表などにも載っていないため米国農務省の食品データベースなどを調べる必要があります。こちらのサイトには調査したものを随時記載しています。
おすすめの調理方法や食材との組合せ
緑黄色野菜のビタミン類と合わせて抗酸化作用を補強したり、卵と合わせてよりバランスの良いタンパク源にするのもおすすめです。
鶏もも肉を使ったレシピはこちらをご覧ください。
こんな子におすすめ
良質なタンパク質で筋肉をつけたり、病気・高齢時の筋肉量減少の対策をしたい。
100g当たりの栄養成分
出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)
※コリンは米国農務省FoodData Centralを参照
栄養素 | 単位 | 皮付き・生 | 皮付き・焼き | 皮なし・生 | 皮なし・焼き |
粗タンパク質 | g | 16.600 | 26.300 | 19.000 | 25.500 |
アルギニン | g | 1.400 | 2.100 | 1.300 | 1.700 |
ヒスチジン | g | 0.690 | 1.100 | 0.700 | 0.930 |
イソロイシン | g | 0.880 | 1.300 | 0.900 | 1.200 |
ロイシン | g | 1.500 | 2.400 | 1.500 | 2.000 |
リジン | g | 1.700 | 2.600 | 1.700 | 2.200 |
メチオニン | g | 0.520 | 0.820 | 0.520 | 0.700 |
メチオニン+シスチン | g | 0.740 | 1.170 | 0.740 | 0.990 |
フェニルアラニン | g | 0.770 | 1.200 | 0.760 | 1.000 |
フェニルアラニン+チロシン | g | 1.430 | 2.200 | 1.430 | 1.870 |
トレオニン | g | 0.920 | 1.300 | 0.920 | 1.100 |
トリプトファン | g | 0.220 | 0.350 | 0.240 | 0.320 |
バリン | g | 0.940 | 1.500 | 0.950 | 1.200 |
粗脂肪 | g | 14.200 | 13.900 | 5.000 | 5.700 |
リノール酸 | g | 1.600 | 1.500 | 0.520 | 0.570 |
カルシウム | g | 0.005 | 0.006 | 0.005 | 0.007 |
リン | g | 0.170 | 0.230 | 0.190 | 0.220 |
カルシウム:リン比 | 34.000 | 38.333 | 38.000 | 31.429 | |
カリウム | g | 0.290 | 0.390 | 0.320 | 0.380 |
ナトリウム | g | 0.062 | 0.092 | 0.069 | 0.081 |
塩素 | g | 0.095 | 0.142 | 0.106 | 0.125 |
マグネシウム | g | 0.021 | 0.029 | 0.024 | 0.029 |
鉄 | mg | 0.600 | 0.900 | 0.600 | 0.900 |
銅 | mg | 0.040 | 0.050 | 0.040 | 0.060 |
マンガン | mg | 0.010 | 0.010 | 0.010 | 0.010 |
亜鉛 | mg | 1.600 | 2.500 | 1.800 | 2.600 |
ヨウ素 | mg | 0.000 | 0.000 | 0.000 | 0.000 |
セレン | mg | 0.017 | 0.029 | 0.019 | 0.000 |
ビタミンA | IU | 133.333 | 83.333 | 53.333 | 43.333 |
ビタミンD | IU | 16.000 | 16.000 | 8.000 | 0.000 |
ビタミンE | IU | 1.043 | 0.298 | 0.894 | 0.447 |
チアミン | mg | 0.100 | 0.140 | 0.120 | 0.140 |
リボフラビン | mg | 0.150 | 0.240 | 0.190 | 0.230 |
パントテン酸 | mg | 0.810 | 1.200 | 1.060 | 1.330 |
ナイアシン | mg | 4.800 | 6.800 | 5.500 | 6.700 |
ピリドキシン | mg | 0.25 | 0.28 | 0.31 | 0.37 |
葉酸 | mg | 0.013 | 0.008 | 0.010 | 0.010 |
ビタミンB12 | mg | 0.000 | 0.001 | 0.000 | 0.000 |
コリン | mg | 45.7 | 67.6 | 53.6 | 71.8 |