Instagramで手作り犬ごはんのレシピや犬の健康に関する情報を発信しているリーリャ編集部(@lilya_foods)と申します。手作り犬ごはんの基本については手作り犬ごはんの作り方・レシピや注意点(量や食材、味付けなど)を解説で詳しく説明しています。
今回は、犬ごはんの食材のうち、鯛について解説します。その他の犬ごはんの食材に関する記事はこちらです。
鯛を犬にあげていいか?あげる場合の注意点
鯛は犬にあげても大丈夫な食材です。お祝いの料理に登場するイメージが強い鯛は、真鯛、金目鯛、黒鯛あたりがよく見かけるのではないでしょうか。良質なタンパク源になるほか、タウリン、DHA、EPAなども含まれています。鯛は骨が硬く鋭いのでしっかりと取り除いてあげましょう。生でも食べられますが、アニサキスなどの寄生虫がいる可能性があります。アニサキスは60度で1分以上加熱するか、マイナス20度以下で24時間以上冷凍すると死滅するとされています。安全のためには加熱調理をしたほうが良いと言えます。
鯛に含まれている栄養素と主な効果
鯛の代表的な栄養素にはタンパク質、ビタミンD、ナイアシン、DHA・EPA、タウリンなどが含まれています。
タンパク質
筋肉や臓器、皮膚など体の基本となる組織を作り、生命活動を維持するために必要な栄養素です。成長促進や免疫力の向上など身体的なこと以外に脳の活性化や精神の安定などにも影響します。肉類と同じく、魚類もアミノ酸のバランスが良く良質なたんぱく質です。筋が少ないので消化しやすいと言われています。
ビタミンD
カルシウムやリンの吸収を促進させる働きがあり、丈夫な骨づくりに必要なビタミンです。成長期には特に重要になります。また血中カルシウム濃度の調整にも深くかかわっています。カルシウムの摂取が十分で、ビタミンDが正常に機能していれば歯や骨の健康が維持されるだけでなく、ストレス解消などにも貢献します。摂りすぎると下痢や嘔吐などの過剰症があり、AAFCOの栄養基準にも上限値が設けられています。偏った取り入れ方やサプリとの併用する際は注意が必要です。
ナイアシン
ナイアシンは動物性食品や豆類、果実類に多く含まれる水溶性のビタミンで、ビタミンB群の1種です。 役割としては糖質や脂質の代謝を促進する補酵素として機能し、また皮膚や粘膜の強化にも貢献しています。加えて、脳の神経伝達物質の生成にも不可欠なため、脳神経の働きにも大きく作用しています。豚ヒレ肉は他の部位よりも多く含まれています。
DHA・EPA
テレビなどでもよく見かける栄養素でDHAはドコサヘキサエン酸、EPAはエイコサペンタエン酸のことを指します。オメガ3脂肪酸で、海水魚の魚油に多く含まれています。炎症を抑える作用や、がんを抑制したり脳機能を向上させるなどの効果があるとされています。
タウリン
犬はタウリンを体内で合成できるので、必須栄養素ではありませんが、心臓の筋肉の収縮に関係したり動脈硬化の予防が期待されます。また、抗酸化作用もあり老化予防に役立つとされています。
おすすめの調理方法や食材との組合せ
鯛のビタミンDと水菜、小松菜、ゴマなどのカルシウムを合わせて効果的にカルシウムの吸収に役立ちます。
鯛を使ったレシピはこちらをご覧ください。
こんな子におすすめ
心臓病リスクを減らしたい。
抗酸化作用で老化予防に役立てたい。
100g当たりの栄養成分
栄養素 | 単位 | 真鯛(天然 生) | 真鯛(養殖 生) | 真鯛(養殖 焼き) | 金目鯛(生) | クロダイ(生) |
粗タンパク質 | g | 20.600 | 20.900 | 22.700 | 17.800 | 20.400 |
アルギニン | g | 1.300 | 1.400 | 1.500 | 1.100 | 1.200 |
ヒスチジン | g | 0.550 | 0.580 | 0.630 | 0.540 | 0.550 |
イソロイシン | g | 1.000 | 0.970 | 1.100 | 0.740 | 0.940 |
ロイシン | g | 1.700 | 1.700 | 1.800 | 1.300 | 1.600 |
リジン | g | 2.000 | 2.000 | 2.100 | 1.600 | 1.900 |
メチオニン | g | 0.640 | 0.630 | 0.680 | 0.530 | 0.630 |
メチオニン+シスチン | g | 0.870 | 0.850 | 0.920 | 0.710 | 0.870 |
フェニルアラニン | g | 0.850 | 0.860 | 0.930 | 0.710 | 0.810 |
フェニルアラニン+チロシン | g | 1.580 | 1.610 | 1.750 | 1.310 | 1.500 |
トレオニン | g | 1.000 | 1.000 | 1.100 | 0.810 | 0.900 |
トリプトファン | g | 0.230 | 0.240 | 0.260 | 0.180 | 0.220 |
バリン | g | 1.100 | 1.100 | 1.200 | 0.860 | 1.000 |
粗脂肪 | g | 5.800 | 9.400 | 12.000 | 9.000 | 6.700 |
リノール酸 | g | 0.047 | 0.420 | 0.400 | 0.078 | 0.030 |
カルシウム | g | 0.011 | 0.012 | 0.024 | 0.031 | 0.013 |
リン | g | 0.220 | 0.240 | 0.260 | 0.490 | 0.250 |
カルシウム:リン比 | 1:20 | 1:20 | 1:10 | 1:16 | 1:19 | |
カリウム | g | 0.440 | 0.450 | 0.500 | 0.330 | 0.400 |
ナトリウム | g | 0.055 | 0.052 | 0.055 | 0.059 | 0.059 |
塩素 | g | 0.085 | 0.080 | 0.085 | 0.091 | 0.091 |
マグネシウム | g | 0.031 | 0.032 | 0.032 | 0.073 | 0.036 |
鉄 | mg | 0.200 | 0.200 | 0.200 | 0.300 | 0.300 |
銅 | mg | 0.020 | 0.020 | 0.020 | 0.020 | 0.030 |
マンガン | mg | 0.010 | 0.000 | 0.010 | 0.010 | 0.010 |
亜鉛 | mg | 0.400 | 0.500 | 0.500 | 0.300 | 0.800 |
ヨウ素 | mg | 0.000 | 0.006 | 0.008 | 0.000 | 0.000 |
セレン | mg | 0.000 | 0.036 | 0.046 | 0.000 | 0.000 |
ビタミンA | IU | 26.667 | 36.667 | 56.667 | 210.000 | 40.000 |
ビタミンD | IU | 200.000 | 280.000 | 224.000 | 80.000 | 160.000 |
ビタミンE | IU | 1.490 | 3.576 | 6.854 | 2.533 | 2.086 |
チアミン | mg | 0.090 | 0.320 | 0.140 | 0.030 | 0.120 |
リボフラビン | mg | 0.050 | 0.080 | 0.090 | 0.050 | 0.300 |
パントテン酸 | mg | 0.640 | 1.340 | 1.250 | 0.230 | 0.620 |
ナイアシン | mg | 6.000 | 5.600 | 6.300 | 2.700 | 5.500 |
ピリドキシン | mg | 0.31 | 0.4 | 0.32 | 0.28 | 0.42 |
葉酸 | mg | 0.005 | 0.004 | 0.003 | 0.009 | 0.014 |
ビタミンB12 | mg | 0.001 | 0.002 | 0.003 | 0.001 | 0.004 |
コリン | mg | 65 | 65 | 情報なし | 65 | 65 |
出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)
※コリンは米国農務省FoodData Centralを参照