犬に関する記事

ダイエットをしたい犬のドッグフードで気をつけたいこと

Instagramで手作り犬ごはんのレシピや犬の健康に関する情報を発信しているリーリャ編集部(@lilya_foods)と申します。手作り犬ごはんの基本については手作り犬ごはんの作り方・レシピや注意点(量や食材、味付けなど)を解説で詳しく説明しています。
今回は、ダイエットをしたい犬のドッグフードで気をつけたいこと解説します。

犬においても肥満は多く、ダイエットが必要な場合があります。病気が原因で肥満となってしまうこともありますが、多くは食べ過ぎや運動不足によるものです。ついついおやつをあげたくなってしまいますが、主食の分も合わせるとカロリーオーバーになってしまうこともあります。日頃から気をつけることも大事ですが、ダイエットが必要になった時のドッグフードのポイントを見ていきましょう。

犬にとってのダイエットが必要な場合とは?基本的な考え方

人間と同じく犬・猫においても適切な体重管理は重要です。肥満になってしまうとデメリットが多く、関節への負担や心臓病、脂肪肝、がん、糖尿病のほか、手術などの際の麻酔が抜けにくくなってしまいます。肥満は、病気が原因の二次性肥満と、それ以外が原因の原発性肥満に大別されます。一般的に肥満と呼ばれる多くは原発性肥満で、食べ過ぎによるものです。ダイエットは食事の調整とともに、運動による消費エネルギーを増やすことと合わせて行われることが多いです。つまり摂取カロリー<消費カロリーとなることが基本となります。また、ダイエット失敗の一番多くの理由は飼い主の挫折と言われています。ペット達の食事は、飼い主しか管理できないことを心に留めておきましょう。
適正な体型の見方は、手作り犬ごはんの量と適正体重の判断方法のBCS(ボディコンディションスコア)も参考にしてください。

1日に必要なカロリーとは?

生活環境による違いや個体差がありますが、目安として1日にどれくらいのカロリーが必要なのかを知っておくことも大切です。カロリー(エネルギー)や栄養素の計算方法という記事を参考にぜひ計算してみましょう。また、ダイエット時のカロリーは1日に必要なカロリーの60〜70%程度に制限すると効果がみられると言われています。こちらの記事に計算方法もありますので参考にしてみてください。総合栄養食を主食で食べている場合、おやつは1日に必要なカロリーのうち、10%程度までなら影響が少ないといわれています。例えば、1日に必要なカロリーが500kcalの場合、おやつは50kcalまでとし、主食は450kcalとなります。

太りやすい犬種は?

飼い主が食事を管理している以上、全ての犬種が太る可能性があります。しかし、中にはホルモンの分泌量などにより、ビーグル、レトリバー、ダックスフント、コッカースパニエル、シェットランド・シープドッグなどは太りやすい犬種と言われています。

ダイエットに役立つ栄養素やポイント

食事に含まれるカロリー

一般的にダイエット向けのフードはカロリーが低めに設計されています。カロリーが低い分、高カロリーなフードと比べると量を多くあげないといけなくなります。たくさん食べたい子の場合は良いですが、量が食べられず残すことが続いてしまうと、必要な栄養素が足りなくなってしまう恐れがあります。愛犬の特徴に合わせてカロリーを選ぶと良いでしょう。

高タンパク・低脂肪

運動量を増やし、健康な身体作りに必要な栄養素であるたんぱく質を摂ります。また、カロリー(エネルギー)量の多い脂質を抑えることで、食事中のカロリーが制限しやすくなります。

低GI食材

GI(Glycemic Index)は食後の血糖値の上がりやすさの指標です。低GI値の食材は、食後血糖値の上昇が緩やかで炭水化物に含まれる糖質をゆっくりと吸収するので、腹持ちが良くなります。手に入りやすいものだと、さつまいも・玄米・大麦・大豆・えんどう豆・豆腐・春雨などがあげられます。高 GI食材なものは、じゃがいも・小麦・米などがあげられます。いわゆるグレインフリー(穀物不使用)とうたっているものは、えんどう豆などを使う傾向があるので、一つの基準にしても良いかもしれません。

満腹感を感じられるもの・繊維

食物繊維には整腸作用や満腹感の持続といった作用があります。食物繊維はエネルギーが低く、ダイエットフードでは10%程度の商品が多いようです。あまり高繊維だと他の栄養素の消化や利用性が下がってしまう場合もあります。

良質な油

ダイエット向けに作られたフードは、脂質を抑えていることをアピールしていることが多いですが、脂質も必要な栄養素の一つです。脂質を制限しすぎると被毛や皮膚がパサついたり悪影響が出る場合があります。オメガ3脂肪酸であるDHA、EPAやオメガ6脂肪酸の共役リノール酸が肥満に効果があるという論文も発表されています。

抗酸化物質

緑黄色野菜などに含まれる抗酸化物質は、酸化ストレスを和らげるサポートをし、肥満の防止にも役立つと言われています。ビタミンE、ビタミンC、セレンなどはペットフードに含まれる量がわかりやすいので、パッケージやメーカーのホームページを確認してみるのも良いでしょう。

L-カルニチン

L-カルニチンは脂質代謝やエネルギー産生などに関わっています。L-カルニチンを含んだ食事を与えた場合、体脂肪の減少や体重の減少に効果があったという研究もあります。原材料に入っているかも確認してみても良いかもしれません。

手作りごはんでは

手作りをされている場合は、さつまいも・春雨・大豆食品・蕎麦などの低GI食材、緑黄色野菜を中心とした野菜類、ささみ・鶏胸肉・サバなどの良質なたんぱく質を意識しましょう。サバなどの青魚にはオメガ3脂肪酸であるDHA、EPAが含まれています。ささみなどの時は、別途エゴマ油や亜麻仁油などを活用してみましょう。ドライフードと同じく、単純に量を減らすと、必要な栄養素が足りなくなってしまう可能性があります。食品成分表や、食品成分データベースなどを参考に、カロリーや含まれている栄養素を確認しながら食材を選ぶのも安心です。

まとめ

まずは、ダイエットをするにあたって、目標の体重・体型になるまで飼い主側が挫折しないことが大切です。摂取エネルギー<消費エネルギーになるように、適度な運動も取り入れながら、食事の内容を見直してみましょう。おやつは1日のカロリーの10%程度にした方が良いとされています。あらかじめ、タッパーなどに用意しておくとあげすぎを防ぎやすくなります。特に手作りごはんでは、計量する手間はありますが、食材を分けておけば、複数の種類のおやつが用意できます。愛犬と食事の見直しや運動をして、飼い主も一緒に健康になりましょう!

参考文献
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19460115/
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17995628/
小動物の臨床栄養学 第5版 マークモーリス研究所

lilya編集部
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