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子犬(パピー)のためのフードの選び方・ポイント

Instagramで手作り犬ごはんのレシピや犬の健康に関する情報を発信しているリーリャ編集部(@lilya_foods)と申します。手作り犬ごはんの基本については手作り犬ごはんの作り方・レシピや注意点(量や食材、味付けなど)を解説で詳しく説明しています。

人間と同じく、犬・猫にもライフステージに合ったフードが存在します。その時々に合うごはんをあげることで、必要な栄養素が接種でき、健康な身体に成長することができます。特徴を理解して適したフードを選べるようになりましょう。この記事では、子犬(パピー)のフードについて解説します。

子犬っていつからいつまで?ライフステージごとの必要な栄養素も

犬種や体格などによる個体差もありますが、一般的に生後2ヶ月までを哺乳・離乳期、10〜24ヶ月ごろまでを成長期、5〜8歳頃までを成犬期、それ以降を中高齢期や高齢期(シニア期)と呼ばれています。生後1ヶ月頃までは母乳を主食とし、栄養を摂取しますが、離乳後はパピーフードなどのように消化吸収しやすく、急速な生長のため少量で高エネルギーなものが必要となります。

哺乳期:生後30日頃まで

母乳を与えます。もしくは市販の犬用・猫用ミルクを与えます。また、出産後72時間に分泌される母乳を初乳といい、初乳から母犬の免疫が受け継がれます。母乳はタンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルなど新生児に必要な栄養素が詰まった大切な栄養源になります。

離乳期:生後約20〜60日頃

乳歯が生えてくるので離乳食に切り替えます。成長に必要なエネルギーを十分に含み、未発達な消化器でも消化しやすい良質なタンパク質を含んでいるものが適しています。離乳食にすることで母犬の負担も軽減することができます。いろいろな種類の離乳期用のフードがありますが、徐々にペースト状〜子犬用ドライフードをふやかすという流れにする場合が多いようです。

成長期:生後50〜12ヶ月頃(超大型犬は24ヶ月頃まで)

徐々に成長が落ち着いてくる頃です。子犬用のフードを中心に食べることで成長と健康維持に必要な栄養素をバランスよく摂取します。手作りフードも取り入れられる時期になってきますが、不足しがちなカルシウムや亜鉛などのミネラル類やビタミン類をバランスよく摂取する必要があります。一般的に手作りフードは、タンパク質が多くカルシウム・亜鉛が不足する傾向があり、そのほかに使う食材によってビタミン・ミネラルの過不足が生じることが考えられます。

成犬期:生後約1〜7年頃(大型犬以上は生後2〜5年頃)

歯も生えそろい、骨格の成長も落ち着きます。必要なエネルギーも少なくなるので、子犬用フードから徐々に成犬用フードに切り替えることで肥満を防ぎます。市販フードの場合は成犬用、アダルト、維持期用などと書かれており、様々なコンセプトのフードが販売されています。運動量が多い場合はタンパク質が多めのものだったり、室内でゆっくり過ごす時間が多ければ低カロリーのものを選ぶなどライフスタイルも加味して選びましょう。手作りフードも取り入れやすい時期になります。バランスよく食材を選び、サプリメントを活用するなどして、不足する栄養素が続くことのないように気をつけましょう。犬が一日で必要とするカロリー(エネルギー)や栄養素の計算方法も参考に、大体の必要なエネルギーを意識するようにしましょう。また、定期的な健康診断を行い、体調の変化を把握しておくことも健康に過ごす基本となります。

シニア・ハイシニア期:生後約7年以降(大型犬以上は約生後5年以降)

元気で健康な子ももちろん多いですが、徐々に運動量や代謝が落ちてくる傾向があります。加齢による疾患で食欲が低下したり、制限する栄養素も出てくる場合があり、フードを見直さなければいけないこともあります。例えば、少量しか食べられない場合は高カロリーなもの、腎臓病の場合は低タンパクなものといったように状況に合わせて変更しましょう。手作りフードは栄養管理が難しい場合もありますが、カリウムやリンなど特定の栄養素を抑えたい場合に効果的です。調理法や使う食材で調整できるので、必要に応じて取り入れる手段もあります。

パピーフードの選び方や食べ方・注意点

切り替えるタイミングは?

個体差もありますが、小型・中型犬はおよそ12ヶ月齢で成犬の体重に達すると言われています。成長が落ち着いたので徐々に子犬用から成犬用のフードに切り替えていきましょう。大型犬の方が成犬までの成長期間は長く、およそ18ヶ月齢から24ヶ月齢くらいで成犬になると考えられています。成長期間の間に、ワクチン接種などで動物病院に行ったら、体格を診てもらい食事内容についても相談するようにしましょう。また、切り替える際は、急に新しいフードに変えるのではなく、一週間ほどかけて徐々に切り替えていくことで、嘔吐や下痢などを抑えながら切り替えやすくなります。

手作りごはんはあげられる?

必要な栄養素が補えるのであれば、手作りごはんでも良いと言われています。しかし、成犬に比べて、成長のために必要な栄養要求量は多いので現実的ではありません。水分が補給できるメリットはありますが、どうしても一食あたりに含まれるカロリーが低くなるので量を食べないといけないことになります。しっかりと食事管理ができるなら手作りでも良いですが、子犬の頃は市販の専用フードをあげて成長を待つのも良いでしょう。

ご飯を食べないときは?

特に子犬においてご飯を食べないことは、必要な栄養素が摂取できないので早急に解決したい問題です。改善策をおこなってみても食べないようであれば、あまり様子見はせずに相談することをおすすめします。

食べづらい・好みじゃない硬くて食べづらい場合はふやかしてみましょう。温めたりぬるま湯でふやかすと風味が上がります。
運動不足散歩に行けなくてもおもちゃなどで遊ぶことで、適度に運動することで空腹になり、食欲が高まる場合もあります。
ストレス迎えたばかりのころは、環境の変化などがストレスとなり、精神的に不安定になることも考えられます。迎え入れる前と同じ、フードや食器など共通点を作ることで安心してもらいましょう。
体調不良・病気子犬は体力もないため、そのうち食べるだろうと思って、あまり様子見しすぎるのもよくありません。迎え入れた所に相談してみたり、体調不良が疑われる場合は獣医師に相談しましょう。

フードをふやかす時は?

生後20〜60日頃は離乳期と呼ばれており、乳歯も生えてきます。歯が生えそろうまではふやかしたフードを与えることが多いようです。子犬のように消化器が未発達な時期以外にも、シニアになって消化器機能が衰えてきた時もふやかして与える場合があります。いっしょに水分補給もできるメリットもあります。

ふやかす方法

1食分の量をお皿に入れます。水かぬるま湯をフードが浸るくらい入れ、好みの柔らかさになったらOKです。

注意点

ふやかしたフードは放置しておくと雑菌が繁殖しやすい状態です。食べない時はそのままにせず、早めに片付けましょう。また、熱湯をかけてしまうと、ビタミンなどフードの栄養成分が壊れてしまう可能性があります。ふやかす事で消化しやすくなる反面、1食の量は増えます。量が食べられない状態では、必要な栄養素が足りなくなってしまう恐れもありますので、体調などをみてフードの種類を変えることも必要です。

子犬用・成犬用フードのはどんな違いがある?

栄養素の違い

子犬用、成犬用の主な違いは必要な栄養素の種類と量、成長に必要なエネルギー(カロリー)です。AAFCO(米国飼料検査官協会)の設定する値でも下の表のように、違いがあり、2016年版から一部を抜粋します。また、カルシウムのように過剰でも不足でも良くない栄養素もあるので注意が必要です。

栄養素子犬成犬
タンパク質22.5%以上18.0%以上
脂肪8.5%以上5.5%以上
α-リノレン酸0.08%以上設定なし
EPA+DHA0.05%以上設定なし
カルシウム1.2〜1.8%0.5〜1.8%
リン1.0〜1.6%0.4〜1.6%
カルシウム:リン1:1〜2:11:1〜2:1
ナトリウム0.3%以上0.08%以上
88mg/kg40mg/kg
亜鉛100mg/kg80mg/kg

※表の数値は推奨値ではなく、許容最低値です。ペットフードを製造する際の数値で、水分がない状態(乾物あたり)での数値です。手作りごはんの計算では参考値としてください。

100gあたりのエネルギー(カロリー)の違い

子犬用・成犬用ごとにフードを販売しているメーカーのうち、一部の製品を比較してみました。複数の種類がある場合は同じ系統(チキン、小型犬など)を参考にしています。メーカーによりばらつきはありますが、成犬用よりも子犬用の方が高カロリーに作られています。オールステージ用で作られている商品は、年齢によって給餌量を変えるようにパッケージに記載されています。子犬期のままの量だとカロリーオーバーになることがわかります。

メーカー子犬用成犬用
A社375kcal373kcal
B社362kcal356kcal
C社366kcal351kcal
D社394.4kcal368.5kcal
E社410kcal395.1kcal
F社408kcal398kcal

まとめ

ライフステージによって必要な栄養素や量が異なります。過不足のないようにすることで、健康な身体作りに繋がります。無理に手作りごはんにせず、市販の子犬用のフードから始めてから手作りごはんに移行しても問題ありません。子犬の期間はあっという間ですので、しっかりと身体作りをして健康な生活を楽しみましょう。

lilya編集部
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