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ドッグフードの原材料の基本知識・選び方や避けたい添加物について解説

Instagramで手作り犬ごはんのレシピや犬の健康に関する情報を発信しているリーリャ編集部(@lilya_foods)と申します。手作り犬ごはんの基本については手作り犬ごはんの作り方・レシピや注意点(量や食材、味付けなど)を解説で詳しく説明しています。
今回は、ドッグフードの原材料の基本知識、選び方や避けたい添加物について解説します。ドッグフードにはどのようなものが使われているのかを調べることができます。

ドッグフードは世界的に大小様々なメーカーが多く存在し、日本でも海外製・日本製ともに多く販売されています。選ぶ基準として安全性も重要な要素ですので、原材料を理解することで、どのような商品なのか理解が深まります。この記事では、ドッグフードの原材料を中心に解説します。

ドッグフードの原材料とは?基本的な知識を解説

フードの原材料には肉類・野菜・穀類などが使われ、健康な身体作りに影響を与えます。メーカー・種類によって特徴は様々で、高タンパクなものや穀物不使用、穀物が多いものなど多種多様です。日本のペットフード公正取引協議会では、パッケージに書かれる食材は、添加物も含めて使用料の多い順に表記するように決められています。添加物も記載しなければいけませんが、原材料に使われている添加物まで記載する義務はありません。例えば、フードの原材料にチーズを使っていたら、チーズの原材料まで記載しなくても良いことになっています。これら原材料のほかにもフードの名称、事業者名、賞味期限、原産国名を記載することがペットフード安全法で決められています。

ペットフード安全法とは

2007年にアメリカで有害成分(メラミン)を使用したペットフードを食べたことが原因で、多数の犬・猫が死亡する事件が起こりました、日本にも輸入されていたこともあり、2009年ペットフード安全法という法律が施行され、パッケージに表示しなければならない項目や、添加物や汚染物質などの成分の上限を設定したり、製造方法の基準を決められました。

参考
ペットフード安全法の概要
ペットフードの表示に関する公正競争規約

ドッグフードの原材料の種類と特徴:肉、野菜、穀物など

肉類

健康な身体作りには欠かせないタンパク源です。超高タンパク・高タンパクと呼ばれるものから、腎臓病に配慮した低タンパクフードがあります。一般的に乾物あたり25%前後よりも多いと高タンパクと言われるようです。チキン、ターキー、ビーフやサーモンなどの魚類、カンガルーなどのアレルギーに配慮したものもあります。意外とポークが主原料のものは少ないです。タンパク質は質は肉類以外にも豆類にも含まれているので、合わせて使われる場合が多いです。複数の肉を使うことでアミノ酸のバランスを良くする効果もあります。タンパク質のとりすぎは賛否両論ありますが、手作りごはんでは高タンパクになりやすい傾向があります。

野菜

ビタミンやミネラル、食物繊維が含まれます。芋類は食物繊維やビタミンCが多いほか、炭水化物源となり、大切なエネルギー源になります。特に手作り食においては、アスパラガスのアスパラギン酸やトマトのリコピンなど、特有の栄養素を取り入れやすいです。また、不足しやすいカルシウムを小松菜や水菜から補給したり、カボチャやピーマン、ブロッコリーなどに含まれるビタミンEやビタミンCは抗酸化作用が期待されます。

穀類

米、小麦、コーンのほか、豆類も含まれます。主に炭水化物、タンパク質、食物繊維などの源になり、エネルギー源となります。穀類はアレルギー源になりやすい、犬は吸収にできないなどの意見もありますが、タンパク質を含む食材は全てアレルギー源になり得ますし、炊いたお米のように加熱した状態(α化)されていると消化でき流ことがわかっています。広義では豆類も穀物に含まれますが、ペットフードでは米や小麦の代わりにえんどう豆などを使う場合が多いようです。ドライフードなどでは小麦などを使うことで、フードの形状をかたち作る役割もあります。

添加物

添加物と聞くとなんとなく良くないイメージを持つ方もいるかもしれません。しかし、添加物も種類や役割を知っておくと、避けたほうが良いものとそうでないものや必要性を判断できるようになります。

栄養を強化する添加物

ビタミンやミネラル、アミノ酸が当てはまります。「総合栄養食」と呼ばれるフードは、肉や野菜などだけではその基準を満たすことは困難です。そこで、足りないビタミンやミネラルなどを足すことで「総合栄養食」の基準をクリアしたフードが作りやすくなります。手作りごはんにおいても、足りなくなりやすい栄養素(カルシウムや亜鉛など)はだいたい決まってきます。マルチビタミン・ミネラルのサプリメントを使うことで、足りない栄養素を補うことができます。

ビタミン類:ビタミンA、B1、B2、B6、B12、C、D、E、葉酸、パントテン酸、ナイアシン、コリン

ミネラル類:カルシウム、亜鉛、鉄、銅、リン、カリウム、マグネシウム、マンガン、セレン、ヨウ素

アミノ酸:L-リジン、L-メチオニン、L-シスチン、タウリンなど

品質を保持する添加物

保存性を高めたり、形状を保持するために用いられます。保存料や酸化防止剤、保湿剤、乳化剤、増粘安定剤、膨張剤、甘味料などが当てはまります。

保存料ソルビン酸などカビや細菌の増殖を防ぐ。
酸化防止剤エトキシキン、BHT、BHA、トコフェロール(ビタミンE)、ローズマリー抽出物などフードの酸化を防ぐ。
保湿剤グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトールなどセミモイストフードなどの水分量の多いフードに使われ流。微生物の増殖を抑え、食感を保つ。
乳化剤グリセリン脂肪酸エステルなど油と水分の分離を防ぎ、品質を均一にする。
増粘安定剤グァーガム、加工でんぷん、カラギーナンなど水分を保持し、品質を保持する。
膨張剤焼きミョウバンなどふっくらさせたり食感を良くする。ケーキなどに多い。

避けたい添加物

着色料、発色剤は本来犬や猫には不要な添加物です。合成着色料は赤色◯◯号のように表記され、諸外国では赤色104号、106号のように使用禁止にしているものもありますが、日本では人間用も含めて使用することができます。発がん性やアレルギーなどが懸念されています。天然着色料はウコンやコチニール、クチナシなどです。合成着色料よりも安全に感じますが、農薬や薬剤が残っている可能性もあり必ずしも安全とは言えないようです。いずれにせよ人間のための添加物ですので、無添加の方が安全といえます。

ペットフード安全法で上限が決められている添加物

発色剤で使われる亜硝酸ナトリウム、酸化防止剤で使われるエトキシキン、BHT、BHAが設けられています。保湿剤のプロピレングリコールは猫用フードには使用が禁止されていますが、犬には危険性が低いとされており規制されていません。

まとめ

以前、週刊誌が実名入りで危険なペットフードを特集したあたりから、ますます安全性への意識の高まりがあるように感じます。原材料をはっきりと記載する商品も増えてきましたが、曖昧な記載が許されているので、原材料がはっきりしない商品も多く存在します。いろいろな合う合わないがあると思いますが、安全なものを選びたいものです。
市販されているドライフード、セミモイストフードをはじめ、おやつやケーキなどには酸化防止剤をはじめ、品質を保つための添加物が入っていることがほとんどです。添加物=全て悪者ではなく、避けた方が良い添加物を把握し、パッケージを確認するようにしましょう。
「添加物不使用」という内容も、商品によって着色料・香料が無添加という場合もあります。
上限のある添加物は、フード以外にもジャーキーなどのおやつにも含まれていることがあります。カロリーオーバーにもなりかねませんので、1日の量に気をつけましょう。
原材料がわかっても明確な栄養バランスまではわかりません。メーカーのホームページに書いてあれば良い方ですが、書いていない場合も多いです。気になるようであれば、直接問い合わせてみるのも一つの方法です。

lilya編集部
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