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犬の高齢化と食事の関係性は?注意点や取り入れたいことを解説

Instagramで手作り犬ごはんのレシピや犬の健康に関する情報を発信しているリーリャ編集部(@lilya_foods)と申します。手作り犬ごはんの基本については手作り犬ごはんの作り方・レシピや注意点(量や食材、味付けなど)を解説で詳しく説明しています。
犬の高齢化と食事の関係性について解説します。

ペットを飼う時代からペットと暮らす時代と言われるくらい、ペットを取り巻く環境は変化しているように思えます。そして、ペットも人間と同様に食事や医療の進歩で高齢化が進んでいるといわれています。寿命が延びることは一緒に過ごす時間が長くなるので、喜ばしいことですがどのような変化が考えられるのでしょうか。

犬の高齢化とは?今と昔の寿命の変化や生活の変化について

動物保険会社のアニコムが作成する「家庭どうぶつ白書2022」によると、犬全体では2009年から寿命が伸び始め2010~2020年の10年間で0.8歳伸びています。動物医療の進歩やお手入れをしてくれるトリミングサロンも増えました。動物福祉の意識の高まりもあり、昔よりもペットのケアがしやすい環境になっているのではないでしょうか。食事についても同じく、種類も豊富になり、高品質なフードも増えました。食事は健康な身体づくりにつながるので、食事の質の変化はとても大きいといえるでしょう。また、犬種によっても違いが出ます。遺伝の影響もありますが、小型犬に比べると大型犬のほうが寿命が短い傾向があると言われています。とはいえ2023年に「存命中の最高齢の犬」としてギネス認定された30歳の犬は大型犬です。日々のストレスなどが少ないようQOL(生活の質)を高めることも大切な要素と言われています。

犬種別の平均寿命(2020年度)「アニコム家庭どうぶつ白書2022」から一部を抜粋

トイプードル15.4歳
チワワ13.8歳
混血種(体重10kg未満)14.8歳
ミニチュア・ダックスフンド14.8歳
ポメラニアン13.8歳
ペキニーズ12.9歳
柴犬14.8歳
シェットランド・シープドッグ12.7歳
ボーダー・コリー12.9歳
ウェルシュ・コーギー・ペンブローク12.5歳
ビーグル13.5歳
ゴールデン・レトリーバー10.9歳
ラブラドール・レトリーバー12.6歳
バーニーズ・マウンテンドッグ8.7歳
ブルドッグ9.4歳

参考
アニコム家庭どうぶつ白書2022

犬の高齢化に伴う変化とは?体調や必要な栄養素について

運動量の低下

個体差ももちろんありますが、人間と同じく犬も高齢になるにつれて体力の低下などで運動量が減る傾向があります。運動量が減ると消費カロリーも減るので、それまでと同じカロリーのフードを同じ量で食べていると太ってしまう可能性があります。体重が増えてしまうと関節や骨への負担が増えてしまうほか、麻酔は脂肪にたまる性質があるので、麻酔が効きにくくなってしまうと言われています。いざという時のリスクは減らしておきましょう。

内臓の変化

年齢とともに腎臓や肝臓、心臓などの機能が低下してしまうことも多くみられます。病気の進行具合によって、タンパク質やリン、脂質、ナトリウムなどを制限する場合があります。療法食が必要なのか、療法食ほどではないけれど気をつけた方が良いのか獣医師に相談しましょう。

取り入れたい栄養素

抗酸化物質

活性酸素は「悪いもの」というイメージがあるかもしれませんが、菌やウイルスから守るために働いてくれたりと欠かせないものです。しかし、増えすぎると老化や癌を招くとされています。カロテノイドやポリフェノールと呼ばれる物質が、活性酸素を取り除くと言われています。カロテノイドはピーマンやカボチャなど緑黄色野菜や果物に含まれるβ-カロテンやビタミンC、ビタミンE、桜エビや鮭に含まれるアスタキサンチンなどです。ポリフェノールは大豆に含まれるサポニン、イソフラボンや蕎麦に含まれるルチンなどがあります。

タンパク質

高齢になってくると筋肉が落ちてしまうことがあります。良質なタンパク質の摂取をして、シニアになっても体重の減少を抑えるように気をつけましょう。病気などでタンパク質を制限する必要がある場合も、最低限のタンパク質は必要ですので、体調に合わせて調整したい栄養素です。

DHA・EPA(オメガ3系脂肪酸)

体内ではα-リノレン酸から合成される脂肪酸で、犬はわずかですが合成するための酵素を持っています。より効率よく取り入れたい場合は、魚油などから直接取り入れた方が良いかもしれません。抗炎症作用があることから関節の痛みを軽減したり、皮膚炎への効果が期待されています。

参考
厚生労働省:活性酸素と酸化ストレス
厚生労働省:抗酸化物質

犬の高齢化に伴う食事の注意点を知ろう!犬の健康維持のために必要な食事の見直し方法

食事の注意点

高齢化に伴って、消化器官や代謝機能が弱くなるため、食事を見直す機会を作りましょう。例えば、消化しやすい食材や栄養素を摂ることが重要です。また、犬の体調や病歴に合わせて食事を変えることも必要です。疾患などで量が食べられなくなってしまった場合は、少量でもエネルギー(カロリー)が摂れるものが必要になります。

サプリメントは必要なの?

関節の軟骨をサポートする目的でグルコサミン、コンドロイチン、コラーゲンが含まれたサプリメントが売られています。確かに関節の間のクッションとなる軟骨の成分はグルコサミン、コンドロイチン、コラーゲンなどからできています。人間においてもサプリメントとして売られていますが、効果があるという決定的な研究はないようです。現状では、犬においても効果があるとは言いきれないし、効果があるとも言いきれないようです。口から取り入れても消化・分解されるので関節まで届き、軟骨を生成するかはなんとも言えません。飲ませてみてなんとなく調子が良さそうという場合もあるようですが、一緒に含まれているビタミンなどの効果も考えられます。飲ませてみて効果がよくわからないときは、いったんやめてみるというのも一つの選択肢です。

まとめ

日頃からスキンシップをとり体調を観察しましょう。また、慢性的な肝臓病や腎臓病などは徐々に低下していきます。定期的な健康診断で状態を把握しておくことも大切な習慣です。食事は毎日の健康づくりのための大切なイベントです。加えて、ストレスの少ない環境に配慮したり肥満にならないように気をつけて、病気になった時も戦える身体作りをしていきたいですね。