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犬のアレルギーの原因と症状、対処法について解説

Instagramで手作り犬ごはんのレシピや犬の健康に関する情報を発信しているリーリャ編集部(@lilya_foods)と申します。手作り犬ごはんの基本については手作り犬ごはんの作り方・レシピや注意点(量や食材、味付けなど)を解説で詳しく説明しています。
今回は、犬のアレルギーの原因と症状、対処法について解説します。アレルギーの基本知識から対処法、検査方法などについて調べることができます。

アレルギーに関する基本用語について

アレルギーとは

本来、体に害のない・少ない異物に対して過剰な免疫反応が起きてしまう状態です。特に皮膚炎のように皮膚や粘膜に症状が出る場合が多いですが、アレルギー性気管支炎やアレルギー性腸炎など皮膚以外に症状が出る場合もあります。症状が出てしまった場合には、薬用シャンプーや投薬などの治療が行われます。

アレルゲンとは

アレルギー反応を引き起こす原因となる抗原がアレルゲンと呼ばれています。一例ですが環境アレルゲンとしてハウスダスト、カビ、ヒゼンダニ、ノミ、昆虫、花粉、マラセチアなど。食物アレルゲンとして牛肉、豚肉、鶏肉、卵、小麦、大豆、とうもろこしなどがあります。アレルゲンを取り除くことができれば、症状が改善しますが、はっきりとわからない場合も多く、特定まで時間を要することもあります。

よく見られる犬のアレルギーの種類と原因

多く見られる症状はアレルギー性皮膚炎として皮膚に見られます。お腹や脇、目元、口元などの皮膚の薄いところに炎症を起こし、かゆみを伴います。掻いてしまうことで皮膚が傷つき、細菌感染を起こしたり、さらに炎症をひどくしてしまうケースもあります。

ノミアレルギー性皮膚炎

ノミに噛まれることで、ノミの唾液に反応して起こるアレルギー反応です。腰回りやお腹にかゆみや脱毛などが見られます。

疥癬(かいせん)

ヒゼンダニが寄生してしまうことでアレルギー反応が起こります。強いかゆみが特徴で、掻きむしってしまうことで細菌感染などにつながる場合もあります。

マラセチア皮膚炎

マラセチアは真菌の一種で、人間を含む恒温動物の皮膚に住む常在菌です。免疫が落ちたり、何らかの原因で皮膚の機能が低下してしまうと、マラセチアが増えてしまいかゆみを伴う炎症を起こしてしまいます。皮膚が脂っぽくなりやすいシー・ズーやウエスティ、ダックス、アメリカン・コッカー・スパニエルなどによく見られると言われています。

食物アレルギー

食物に含まれるたんぱく質に反応するアレルギーです。多くは皮膚に炎症やかゆみが出ますが、腸内などの消化器に症状が出る場合もあります。食物アレルギーの場合、除去食試験と負荷試験を行って何がアレルゲンなのかを確定していきます。

アトピー性皮膚炎

体内に入ってきたアレルゲンに対して働く抗体(IgE)が増えすぎてしまい反応することで発症します。顔や、脇、股、足先などにかゆみを伴う症状が出ます。食物アレルギーと合わせて発症しているケースが多く、様々な角度から治療・対策を進めていくことになります。

食物アレルギーの対処

手作りごはん・手作りフード

既製品のフードではなく手作りをすることで、特定の原料を選んだり避けたりしやすいメリットがあります。また、療法食よりも嗜好性が高い場合が多いので、ちゃんと食べてくれる安心感もあります。栄養バランスを整える必要がありますが、選択肢のひとつとして有効です。

コンタミネーション

汚染・混入を意味します。フードメーカーの製造ラインでは、違う原料を使ったフードでも同じ機械で作る場合があります。洗浄等の対応をしていても、同じ機械を使っている以上、他のフードの原料が混入してしまう可能性はゼロではありません。サプリメント製造でも同じことが言えるので、気になる場合はメーカーにどのような対応策をとっているのか問い合わせる必要があります。

交差反応

症状の出るアレルゲンと近い(似ている)ものにアレルギー症状が出ることを指します。
例えば、鶏肉がアレルギー→卵、七面鳥にも反応したり、小麦がアレルギー→大麦、はと麦にも反応、〇〇花粉→〇〇科の野菜に反応するといった場合があります。食材以外でも、サプリメントの原料にアレルゲンとなるものが使われていることもあるので、気になる場合はメーカーに問い合わせる必要があります。

環境アレルギーの対処

外出時の注意

ノミやダニは駆虫薬があるので、定期的に使用することで効果が続きます。特にドッグランなどの犬が多く集まる場所や、茂みや草むら、登山などに出かける場合は駆虫薬をした方が安全です。散歩などの外出で、花粉や除草剤に反応する場合もあり、植物アレルギーを完全に排除することは難しいですが、季節・時期によって散歩コースを変えたり、空気清浄機を活用することも有効と言えます。

日々のお手入れ

皮膚が乾燥したり脂っぽい場合は、皮膚本来のバリア機能が働いてくれません。スキンケアとして、定期的に適切な薬用シャンプーを使うことで改善されることもあります。また、室内を清潔に保つことで、カビやハウスダストなどが抑えられるので日々の掃除やペット用・人用の衣類や寝具などの洗濯も大切です。

検査方法

特異的血清IgE検査:何がアレルゲン(抗原)なのかを調べる

IgEとは体内に入ってきたアレルゲンに対して働く抗体です。通常、IgEは体内には少ないですが、アレルギー体質の場合はIgEが大量に作られてしまいます。血液を採取し、血中のIgEがどのアレルゲンに反応するかを調べます。

皮内反応試験:何がアレルゲン(抗原)なのかを調べる

毛を刈った皮膚に調べたい(可能性が高い)アレルゲン液をそれぞれ注射します。アレルギー反応がある場合は15分ほどすると、赤く腫れてきます。この反応によってアレルゲンが何かを調べる検査です。その場で結果がわかるメリットはありますが、実際に行われている病院は少ないのが現状です。

除去食試験、負荷試験:食物アレルゲンを特定する

除去食試験はアレルギー反応を起こしていると考えられるものを食べない時期を設けることで、症状が改善されるかを調べる試験です。この試験中は指定されたものと水のみしか食べることができません。負荷試験は除去食試験で原因と考えられるものをあえて足し、症状が再現されるかを確かめる試験です。負荷試験によって再び症状が現れたら、その食材がアレルゲンだと言えます。
数ヶ月を要する場合があるので、独断で行わずかかりつけの獣医師の指導のもとに行うようにしましょう。採血で検査した場合も、食物アレルゲンの結果が出てきますが、あくまで目安です。食物アレルゲンが何かは、除去食試験と負荷試験をしないと正確な判断はできないと言われています。

まとめ

ノミダニ駆虫薬や混合ワクチンは狂犬病ワクチンと違い、義務ではありません。体質等で事情がない限り、予防策をとることで愛犬をアレルギーや感染症から守ることができます。
血液検査は環境アレルゲンには信頼性が高いですが、食物アレルゲンに対しては目安程度と言われています。症状が出た場合は、獣医師に相談し適切な検査と治療を行いましょう。生活環境を清潔にすることで改善する場合もあります。
療法食目的で手作りごはんにする場合は、きちんとした栄養バランスで作る必要があります。独断ではなく、獣医師や専門家とともに取り組みましょう。

lilya編集部
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