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犬と暮らすための費用はどれくらい?内訳を解説

Instagramで手作り犬ごはんのレシピや犬の健康に関する情報を発信しているリーリャ編集部(@lilya_foods)と申します。手作り犬ごはんの基本については手作り犬ごはんの作り方・レシピや注意点(量や食材、味付けなど)を解説で詳しく説明しています。
今回は、犬と暮らすための費用はどれくらいかを解説します。

犬や猫と暮らしたい!と思っても現実的にどれくらいの費用がかかるのかが不安で安易に迎えられない、、という方も多いと思います。ペットに関わるサービスや商品などは多岐に渡るので、まずは必要なものを押さえておくと具体的にイメージしやすいですよね。一般社団法人ペットフード協会の調査によると、犬の生涯にかかる費用は約250万円とされています。どのようなものがあるのかをみていきましょう。

ペット用品の初期費用は?

最低限約31,500円〜

メーカーや種類によってさまざまなので、あくまで目安ですが、最初に必要となるペット用品を合わせると安くてこれくらいになるかと思います。高価なものもたくさんありますが、安全性や相性をみて選ぶようにしましょう。

犬を迎える前に知っておきたい必要なもの

必要なものは?

成長するにつれて使わなくなるものもあるかもしれませんが、安心できる空間を作ったり、日々欠かせないものをまとめました。まずは以下のペット用品を用意しましょう。

ケージ、サークル

約10,000円〜

いずれも犬のスペースとなる場所を作ることができる柵のようなものです。犬にとって安全な領域を確保するとともに、留守番の時やみていられない時は誤飲などの思わぬ事故を予防することができます。閉じ込めるような使い方をせず、良いイメージを持ってもらい安心できる場所にしましょう。

ケージ

ケージは天井から床まで覆われているタイプです。金属製のものだとサークルに比べると丈夫にできています。メリットは天井があるので脱走の危険性が少ない、落下物から守ることができるデメリットは食器の片付けや掃除がしづらい、重いので移動や片付けが大変、サークルよりも組み立てが大変などが挙げられます。天井が開けられるものは掃除や食器の片付けがしやすいです。

サークル

サークルは天井がないタイプのものです。メリットは軽いので持ち運びしやすい、天井がないので食器の片付けや掃除がしやすいなどが挙げられます。デメリットは天井がないので脱走する恐れがある、落下物は避けられない、横からの力に弱いなどが挙げられます。布製のものは特に軽いので、出し入れする場合は楽でしょう。拡張できるものもあるので、成長や間取りに合わせて変更できます。

クレート(バリケン)などのキャリーケース

約5,000円〜

クレートは箱状の小型のケースです。主に樹脂製のハードタイプと布製のソフトタイプに分かれます。どちらも蓋をすることができますが、車や電車などの移動の際はハードタイプのほうが安定するので向いています。ソフトタイプは室内や旅先などで簡易的に使う際に向いています。どちらも普段から使うことで、安心できる空間になるかと思います。中にタオルやマットを敷いて居心地を良くしても良いでしょう。

トイレ、ペットシーツ

トイレ 約2,000円
ペットシーツ 約1,500円〜/月

トイレはご存じの通り欠かせないアイテムです。ペットシーツをはさんで固定するトレータイプや段差の少ないマットタイプ、足を上げても周りが汚れにくい囲ってあるタイプなどがあります。サイズは小さいレギュラーサイズ、倍くらいの大きさのワイドサイズが主流ですが、できればワイドサイズのほうが良いでしょう。ペットシーツは部屋に馴染みやすいグレーなどもありますが、白いペットシーツは尿の色がわかるので異変に気が付きやすいメリットがあります。また、洗って繰り返し使えるペットシーツもあります。

ドッグフード

約3,000円〜(メーカー、種類によってさまざま)

毎日の健康には欠かせないものの代表格がドッグフードではないでしょうか。現在はドライフード、ウェットフード、フレッシュフードなどさまざまなものが発売されています。中には手作りご飯をあげている家庭もあるでしょう。必要な栄養素が入っている総合栄養食や、病気の時に処方される療法食などもあります。市販の総合栄養食、もしくはそれに準じたものをあげるのが安心かと思います。安価なものから高価なものまでいろいろな特徴の商品がありますので、安心してあげられるものを選べるようになりましょう。

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子犬(パピー)のためのフードの選び方・ポイント

食器類

約2,000円〜

フードや水を入れるために必要です。素材は陶器、金属、プラスチックなどの樹脂製が主流です。陶器製は陶器製は重さがあり安定感があります。電子レンジや食洗機にも使えたり匂い移りも少ないのでメリットが多いですが、衝撃で割れたり重さがあるので注意が必要です。金属製は主にステンレスですが、耐久性や手入れのしやすさがメリットです。デザイン性はあまり幅広くないですが、食器を固定するスタンドによってクラシカルや、無骨な雰囲気にすることができます。樹脂製は軽く持ち運びしやすく、デザインも豊富です。割れにくいですがキズが入りやすいので衛生面では注意が必要です。安心できる素材でできているかも確認した方が良いでしょう。

ハーネスや首輪、リードなどの犬具

合わせて約3,000円〜

こちらも散歩などの外出には欠かせません。ハーネスや首輪はどちらもメリット・デメリットがあります。ハーネスは首や気管に負荷がかかりにくいですが、リードでの指示が伝わりづらいとされています。首輪は支持が伝わりやすいですが、強く引くと首や気管に負荷がかかってしまいます。特徴や目的に合わせて選ぶべきですが、チョークリードなどの特殊なものは、正しい使い方を教わってから使用した方が良いでしょう。伸縮するリードは、広場や水遊びなど人の少ないところで使用するようにした方が安全です。

ケア用品

合わせて約5,000円〜

ブラシや歯磨き、爪切り、シャンプーなど家でできることを増やしておくといざという時に安心です。とはいえ、無理に全てのケアをやらなくても大丈夫です。無理やり押さえつけてもお互いストレスですし、家だと甘えてしまいできない場合もあります。病院やサロンだとすんなりさせてくれるのであれば、プロに頼りましょう。

あると便利なもの

絶対に必要ではありませんが、あると便利だったり快適に過ごせるものをいくつか取り上げてみます。ペット関連の商品はたくさんありますので、ついつい増えがちです。こちらも安全性や相性をみながら選びたいですね。

お散歩バッグ

おやつやビニール袋などを入れるバッグがあると便利です。日頃の散歩に使いやすい小ぶりなものや、ショルダーバッグ、ウエストポーチなどデザインも機能もさまざまです。

ペット用リュック

小柄な子であれば便利なアイテムです。蓋ができれば電車などの交通機関に慣れる場合がほとんどなので、気軽にお出かけができます。車に乗る時もシートベルトで固定して、ドライブシートにもなります。

ペット用バギー

こちらは耐荷重がさまざまなので、大きい子でも乗れるものもあります。お出かけはもちろんですが、歩くことが困難な場合にもバギーならお散歩に連れて行くことができます。バギー自体の重量や機能、価格などはさまざまあるので、よく調べてから購入したい商品です。

ベッド

犬は日中も寝て過ごすことが多いため、犬専用のベッドがあると心地よく寝ることができます。形状もフチのあるカドラータイプ、ドーム型、マット型などがあります。硬さも種類がありますので、好みのタイプを探したいですね。また、素材はイタズラしても壊れにくいものが安全です。

食器の高さを調節する台・スタンド

食べる時に食器との高低差をある程度なくしてあげることで、ヘルニアや吐き戻しの予防になるとされています。体高の約10cm程度低いものが良いと言われています。食器を固定してくれる役割もあるので、動かず食べやすくなります。

毛布、ヒーター、保冷剤など季節アイテム

ペット用のヒーターは熱くなりすぎずコードもカバーされていたり安全面に配慮されています。トイ・プードルなどシングルコートの子など寒がりな子はあっても良いかもしれません。首に巻く保冷剤は、暑い時期の熱中症対策に取り入れたいアイテムです。

カーペットなど敷物

特にフローリングは滑ってしまうことで関節などに負担をかけてしまいます。タイル状のものは敷き詰める作業がありますが、汚れた部分だけ洗えるメリットがあります。

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毎年の必要なワクチン

必須のワクチンと任意のワクチンがあります。ペットホテルや施設を使用する際に接種証明書の提示が必要となる場合もありますので、大切に保管しておきましょう。金額は病院によって異なります。

狂犬病ワクチン

約3,000〜4,000円+注射済票交付代550円

感染するとほぼ100%の致死率があり、日本では、法律により狂犬病ワクチンを摂取しないといけないと定められています。1957年以降、国内では発生していませんが、外国では発生しています。毎年の接種と注射済票を装着するようにしましょう。

混合ワクチン

約5,000〜10,000円(種類によって異なります)

複数の感染症予防が目的のワクチンです。接種するかは任意ですが、死亡率の高い感染症もありますし、ペットホテルや施設を使用するときに提示を求められることも多いです。6種、8種、10種というかたちで接種することができ、住んでいる地域などですすめられる種類が異なります。また、病院によって扱っているワクチンが変わります。子犬の頃は3回に分けてワクチンを接種し、十分に免疫をつけて散歩などの外出をすることが通常です。それまでは抱っこでの散歩にしたりして外の環境になれるようにしましょう。

ノミ・ダニ予防

約1,500円〜3,000円=1ヶ月分(体重によって変わります)

任意ですが、ノミ、ダニによってかゆみやアレルギー反応が出てしまうほか、感染症を引き起こすこともあり予防がおすすめされています。首元にたらすスポットタイプやおやつタイプなどがあります。暖かい時期は特に注意が必要ですが、室内に生息していれば通年で活動しますので、一年を通しての予防をおすすめされる場合もあります。

フィラリア駆虫薬

約1,000円〜2,000円=1ヶ月分(体重によって変わります)

蚊がフィラリア(犬糸状虫)という寄生虫を運び、吸血するときに体内に移動します。春ごろの暖かくなってくる時期に、健康診断などとセットで血液検査をしてから月に一度の服薬や長く効く注射があります。駆虫薬なのでまず最初にフィラリアに寄生されていないかを検査し、寄生していなければ月に一度のペースで投薬を続けます。寄生されていた場合は治療が優先されます。任意ですが、散歩などで外出したり、人間にくっついて室内に入ることも考えられるのでフィラリア対策はした方が良いでしょう。

犬によくみられる病気の治療費の目安

爪切りや足裏バリカン、肛門腺絞りなどお手入れなどは500円程度で済みますが、病気によって投薬や食事の治療が中心だったり手術が必要だったりと金額もさまざまです。手術の方法も一種類ではないことも多いので、内容を十分に説明してくれて納得がいく内容で治療や手術をすすめることが大切です。手術などで費用が高額になることが見込まれる場合は、事前に見積もりを出してもらえるかも確認しましょう。保険に入れるのであれば、費用の負担軽減になりますので検討してみましょう。

爪切り、足裏バリカン、肛門腺絞り

それぞれ約500円

家庭で爪切りなどができない場合は、プロにおまかせしましょう。トリミングサロンでも同じくらいの金額の場合が多いようです。伸びすぎると爪が折れたり、飼い主も引っかかれることで怪我をしやすくなります。

不妊・去勢手術

約30,000〜80,000円(体重によって変わります)

避妊・去勢手術とも呼ばれます。「かわいそうだから」という理由で行わない方もいますが、病気のリスクも軽減されることもあり、病院からは可能であれば手術をすすめられることが多いかと思います。ちなみに、2019年6月の動物愛護法改正では、適正飼養ができない場合は繁殖防止のために不妊・去勢手術などを行うことが義務になりました。

麻酔

約8,000〜10,000円

手術を行う際、動物の場合は全身麻酔となります。麻酔がかけられるか血液検査を行って判断されますのでセットで血液検査代がかかります。体重によって費用が異なる場合もあります。

膝蓋骨脱臼(パテラ)

約160,000〜300,000円

膝のお皿(膝蓋骨)がずれて(脱臼)しまう症状で、小型犬に多くみられます。状態によってグレード1〜4に分けられグレード3以上は手術がすすめられます。麻酔代や入院費なども加わるので比較的高額になるようです。

骨折

約200,000〜300,000円

ポメラニアンやトイ・プードルなどの骨の細い犬種や子犬に多くみられます。ギプスで固定したり手術を行うほか、入院となることも多いので比較的高額になることが多いようです。部位によって完治までの期間が変わりますが、短くても数ヶ月かかってしまうようです。

歯石除去

約10,000〜15,000円

歯磨きが苦手な子も多いかと思いますが、歯石がついてしまうと口の中だけではなく身体中の病気の元になってしまいかねません。全身麻酔をして行うことが推奨されていますので、麻酔代が加わります。無麻酔での歯石除去は危険なので、よほどの理由がない限りはやめた方が良いと言えます。

犬を飼うときに考えておきたい!犬のための保険について知ろう

動物に対しては公的な保険がないので、全額負担となります。最近ではペット保険も種類が増えています。保険会社によって保証内容も月々の費用も異なるので検討が必要です。

チェックしたいポイント

月々の金額

年齢やサイズなどで金額が変わってきます。年齢を重ねるごとに金額が上がる場合が一般的ですが、ある程度の年齢に達すると変わらない商品もあります。

補償内容

商品によって負担金額の50%カバーや70%カバーなどの種類があります。他にも、年間の請求回数や、通院回数の上限が設けられている場合もあります。対象とならない項目もあり、会社によって異なります。例えば、予防目的の診療費や、ワクチンなどで予防できる病気は対象外となることが一般的です。かたや膝蓋骨脱臼(パテラ)が対象となる商品もあればならない商品もあります。犬種や迎え入れた時に予想できる病気がある場合は、対象となるかをチェックしても良いかもしれません。

請求方法

保険金の清算を郵送などで請求する会社と、病院の窓口で清算できる会社に分かれます。郵送などで請求する場合は、診療明細や請求書類をそろえて保険会社に送ります。後日、審査が通れば口座に振り込まれます。一時的に診療費を全額負担することになりますが、多くの保険会社を比較することができます。一方、窓口清算は、対応している病院で保険証を提示すればその場で対応してくれるので、書類を揃えたり郵送する手間や時差がありません。窓口清算に対応しているのはアイペットとアニコムの2社なので、他社との比較がほとんどできません。利便性や必要な補償内容などを比較して選ぶようにしましょう。

保護犬(猫)も加入できる?

保険加入には年齢を申告する必要があります。保護されたペットの場合、生年月日がわからないこともあるので保険加入はできないと思ってしまうかもしれません。その場合は、動物病院で歯などの身体の様子から推定年齢をみてもらうことで加入できる場合があります。

保険に入らない時は

保険への加入は任意なので加入しない方もたくさんいます。ペットの診察代金は意外と高額になることが多くあります。金銭的に心配な場合は、月に可能な金額を少しずつ積み立てておき、何かあった際に少しでも負担を少なくすることも大切です。いざという時に診察代金が払えないということは避けるようにしたいですね。

まとめ

新たに迎え入れるとなると、必要なものを購入したり環境を整える必要があることがわかりました。フードやペットシーツなどの消耗品は継続して購入する必要がありますが、一度揃えてしまえばしばらく使えるものも多くあります。特に体格が大きい子や病気の場合はどうしても費用がかかってしまう傾向があるので、今と将来の自分自身で無理なく暮らせるのかをよく検討するようにしましょう。

参考
厚生労働省 犬の鑑札、注射済票について
日本獣医師会 家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査結果(令和3年度)
一般社団法人ペットフード協会 令和4年 全国犬猫飼育実態調査

lilya編集部
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