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犬の関節ケアを目的としたモエギイガイ推奨摂取量や成分・効果・副作用を解説|ミドリイガイ/緑イ貝/GLC

Instagramで手作り犬ごはんのレシピや犬の健康に関する情報を発信しているリーリャ編集部(@lilya_foods)と申します。今回は、犬の関節ケアを目的としたモエギイガイに関する解説(摂取量や効果など)をしています。

この記事のポイント
  1. 海外の研究でも関節ケアの効果が確認されているモエギイガイ
  2. 関節の健康維持や炎症を抑える効果が期待できる
  3. 体重1㎏あたり20〜49mgが摂取量の目安
  4. 複数のサプリメントが販売されているが、含有量の記載がないもの、少なすぎる(多すぎる)ものには注意が必要

モエギイガイ(別名:ミドリイガイ/緑イ貝/GLC)とは

モエギイガイとは、ニュージーランドの海域に生息する大型の二枚貝で、その殻の緑色の縁取りから英名で「Green-lipped Mussel(グリーンリップドマッスル)」とも呼ばれます。ミドリイガイは、現地先住民マオリ族の食生活に古くから取り入れられており、マオリ族は欧米人に比べて関節炎の発症率が低いことが知られています。このことがきっかけで研究が進み、モエギイガイ抽出物は関節の痛みや炎症を和らげるサプリメントとして注目されるようになりました。

モエギイガイの成分とその効果

モエギイガイには、タンパク質、グリコサミノグリカン(コンドロイチン硫酸など)、コラーゲン、ヒアルロン酸、各種アミノ酸、DHA・EPAなどのオメガ3脂肪酸、ミネラル、ビタミンE・Cなど関節の健康維持に寄与すると考えられる成分が豊富に含まれており、これらの成分により犬の関節炎(変形性関節症)に対する抗炎症・軟骨保護効果が期待されています。

特に以下の効果が注目されています。

関節のケア

関節軟骨の主成分のひとつであるコンドロイチンは、軟骨の弾力を保ち関節の動きを滑らかにする働きがあります。また、コラーゲンも軟骨を構成するたんぱく質の一種で、関節の柔軟性に寄与し、ヒアルロン酸は関節の保湿・保水成分です。

抗炎症作用

健康な関節を維持するためには適度な運動が必要です。ただ、関節炎になってしまうと炎症による痛みで運動をしたがらなくなるため、炎症を抑えてあげることも重要になります。DHA・EPA・ETA(エイコサテトラエン酸)などのオメガ3脂肪酸やビタミンCには抗炎症作用があるため関節の炎症を抑制する効果が期待できます。

モエギイガイの摂取量について

海外の研究や文献を見ているといくつかの説があるようですが体重1㎏あたり20〜49mgあたりが一つの目安になっているようです。2009年の研究結果では最初の10日間は適切な血中濃度に達するように入り上の倍にあたる20〜49mgを与え、その後は半量を与えることで効果が確認されています。いくつかの海外のメディアではシンプルに体重1kgあたり約30㎎とするという記述が確認できた他、その半分程度にあたる体重1kgあたり約18mgでも効果があったというものもありました。

【参考※全て英語です】
https://www.dogsnaturallymagazine.com/green-lipped-mussels-dog/
https://stevesrealfood.com/2019/05/28/how-green-lipped-mussels-can-help-your-pet-with-arthritis/
https://www.ace-canine.com/blogs/news/green-lipped-mussel-dosage

モエギイガイの副作用や危険性

モエギイガイは食品由来の天然成分であり、副作用や過剰摂取の危険性は報告されていません。ただし、貝アレルギーのある犬は注意が必要です。また、生は寄生虫(原虫)による感染症リスクがあり、加熱加工品も混入物の危険性があるため抽出物を使用した製品の利用が推奨されます。

犬の関節ケアに関するモエギイガイを使った主な研究

Hielm-Björkman,2007

変形性関節症の臨床症状を有する犬を対象にモエギイガイを8週間投与(最初の10日間は体重1㎏あたり20〜49mgが毎日投与、10日後以降は半量)し、4週目、8週目、12週目にそれぞれ評価を行い、症状に改善が見られるか試験を行った。結果はプラセボ群と比較して改善が見られ、投与をやめた12週目でも改善が見られました。

Bierer, 2002

様々な程度の関節炎の兆候のある4〜13歳の犬を対象にモエギイガイを給餌して症状に改善が見られるか検証を行っています。3つのテストを行っていますが、モエギイガイは体重25kg未満は450㎎、25~34kg未満は750mg、35㎏以上は1,000㎎を与えるか、ドライフードの湿潤重量の0.3%を与えるといった条件で行い、いずれも改善が見られたとのことです。

モエギイガイを使ったサプリメントの選び方

日本でも犬用の関節ケアサプリとしてたくさんのサプリメントが販売されていますが、含有量の記載がないものや量が少なすぎる(多すぎる)ものが多く見られます。最低限、含有量の記載があり、その量が改善を期待できる水準を満たしていることは確認すべきです。また、過剰摂取による危険性はいまのところ出ていませんが、必要もないのに多量に含有しているものは避けた方が賢明かと思います。

lilya編集部
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