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手作り犬ごはんの栄養バランスを改善する方法|実践編

Instagramで手作り犬ごはんのレシピや犬の健康に関する情報を発信しているリーリャ編集部(@lilya_foods)と申します。手作り犬ごはんレシピや犬用サプリメントを販売している通販サイトも運営しています。今回は、具体的なレシピを対象に実践的な手作り犬ごはんの栄養バランスを改善する方法を解説します。

ベースとなるレシピの作成

ベースとなるレシピは色々なところで紹介されている野菜類、肉類、炭水化物を1:1:1で作っていきます。今回は、野菜はミニトマト30g、にんじん30g、かぼちゃ30g、肉は鶏もも肉の皮つき90g、炭水化物は炊いた白米90gでいったん作ってみます。なお、栄養計算は日本食品標準成分表を使用しています。

この食材で栄養計算して、AAFCOの栄養基準と比較していきます。現状は以下の通りです

栄養素単位食材の栄養栄養基準(最小値)不足分
粗タンパク質g18.300014.3781753.922
アルギニンg1.49520.40897921.086
ヒスチジンg0.69660.15336720.543
イソロイシンg0.90660.303539250.603
ロイシンg1.57230.54317551.029
リジンg1.65600.50483371.151
メチオニンg0.53590.265197450.271
メチオニン+シスチンg0.79620.520809450.275
フェニルアラニンg0.84990.361051950.489
フェニルアラニン+チロシンg1.55850.591102750.967
トレオニンg0.94350.3834180.560
トリプトファンg0.24110.1278060.113
バリンg1.01100.393003450.618
粗脂肪g13.23004.4093078.821
リノール酸g1.54560.8946420.651
カルシウムg0.02580.39939375-0.374
リンg0.21450.319515-0.105
カルシウム:リン比1:1~2:10.12:11:1カルシウム不足
カリウムg0.59310.47927250.114
ナトリウムg0.06660.0639030.003
塩素g0.10260.09585450.007
マグネシウムg0.03960.04792725-0.008
mg0.93003.19515-2.265
mg0.18000.58471245-0.405
マンガンmg0.41100.399393750.012
亜鉛mg2.19006.3903-4.200
ヨウ素mg0.00120.07987875-0.079
セレンmg0.01620.0255612-0.009
ビタミンAIU120.0000399.39375-279.394
ビタミンDIU14.400039.939375-25.539
ビタミンEIU3.26313.9939375-0.731
チアミンmg0.17100.1789284-0.008
リボフラビンmg0.20100.4153695-0.214
パントテン酸mg1.30200.9585450.343
ナイアシンmg5.40001.0863514.314
ピリドキシンmg0.37500.12141570.254
葉酸mg0.04380.017253810.027
ビタミンB12mg0.00030.002236605-0.002
コリンmg50.2800108.6351-58.355

改善1|肉類を高たんぱく低脂質なものに切り替える

必要な栄養素はカロリーと連動しているため脂質やカロリーの多いたんぱく質源を高たんぱく低脂質なものに切り替えるだけである程度改善します。ペースのレシピでは脂質が高めなのでなおさら脂質は下げたいところです。たとえば鶏もも肉の皮つきを同量の鶏むね肉の皮なしに置き換えるだけで、足りない栄養素が16から14に減ります。ただし、ただ置き換えるだけでは低脂質になりすぎるので注意が必要です。今回は最終的に他からも脂質を取り入れるのでそのままにします。今回は皮なしに変更しましたが、皮を絶対にとらないといけないわけではありません。ただ、皮はどうしても脂質が多めなので、とった方が栄養バランスを取りやすくはあります。

ミニトマト30g、にんじん30g、かぼちゃ30g、鶏むね肉の皮つき90g、炊いた白米90gで栄養計算すると以下の通りです。

栄養素単位食材の栄養栄養基準(最小値)不足分
粗タンパク質g24.330011.107813.222
アルギニンg1.58520.31595521.269
ヒスチジンg1.15560.11848321.037
イソロイシンg1.10460.2344980.870
ロイシンg1.84230.4196281.423
リジンg1.92600.39000721.536
メチオニンg0.63490.20487720.430
メチオニン+シスチンg0.93120.40234920.529
フェニルアラニンg0.95790.27892920.679
フェニルアラニン+チロシンg1.79250.4566541.336
トレオニンg1.10550.2962080.809
トリプトファンg0.30410.0987360.205
バリンg1.15500.30361320.851
粗脂肪g2.16003.406392-1.246
リノール酸g0.34860.691152-0.343
カルシウムg0.02490.30855-0.284
リンg0.25950.246840.013
カルシウム:リン比1:1~2:10.9:11:1カルシウム不足
カリウムg0.66510.370260.295
ナトリウムg0.05130.0493680.002
塩素g0.07900.0740520.005
マグネシウムg0.04680.0370260.010
mg0.66002.4684-1.808
mg0.16200.4517172-0.290
マンガンmg0.42000.308550.111
亜鉛mg1.38004.9368-3.557
ヨウ素mg0.00120.06171-0.061
セレンmg0.01620.0197472-0.004
ビタミンAIU27.0000308.55-281.550
ビタミンDIU3.600030.855-27.255
ビタミンEIU2.72673.0855-0.359
チアミンmg0.17100.13823040.033
リボフラビンmg0.16500.320892-0.156
パントテン酸mg2.30100.740521.560
ナイアシンmg11.88000.83925611.041
ピリドキシンmg0.72600.09379920.632
葉酸mg0.04380.013329360.030
ビタミンB12mg0.00020.00172788-0.002
コリンmg83.040083.9256-0.886

改善2|野菜の調整

足りないビタミンのうちビタミンEはかぼちゃが豊富なのでミニトマトを20gに減らして、かぼちゃを40gにします。これで足りない栄養素が14から13になりました。ビタミンEは他にもパプリカやブロッコリーが豊富に含まれています。

ミニトマト20g、にんじん30g、かぼちゃ40g、鶏むね肉の皮つき90g、炊いた白米90gで栄養計算すると以下の通りです。

栄養素単位食材の栄養栄養基準(最小値)不足分
粗タンパク質g24.410011.30602513.104
アルギニンg1.59420.32159361.273
ヒスチジンg1.15740.12059761.037
イソロイシンg1.10770.238682750.869
ロイシンg1.84800.42711651.421
リジンg1.93120.39696711.534
メチオニンg0.63630.208533350.428
メチオニン+シスチンg0.93360.409529350.524
フェニルアラニンg0.96320.283906850.679
フェニルアラニン+チロシンg1.79990.464803251.335
トレオニンg1.10840.3014940.807
トリプトファンg0.30550.1004980.205
バリンg1.15920.309031350.850
粗脂肪g2.18003.467181-1.287
リノール酸g0.34990.703486-0.354
カルシウムg0.02590.31405625-0.288
リンg0.26140.2512450.010
カルシウム:リン比1:1~2:10.09911:1#VALUE!
カリウムg0.67910.37686750.302
ナトリウムg0.05100.0502490.001
塩素g0.07850.07537350.003
マグネシウムg0.04800.037686750.010
mg0.66002.51245-1.852
mg0.16300.45977835-0.297
マンガンmg0.41700.314056250.103
亜鉛mg1.39005.0249-3.635
ヨウ素mg0.00080.06281125-0.062
セレンmg0.01620.0200996-0.004
ビタミンAIU27.0000314.05625-287.056
ビタミンDIU3.600031.405625-27.806
ビタミンEIU3.17373.14056250.033
チアミンmg0.17100.14069720.030
リボフラビンmg0.16800.3266185-0.159
パントテン酸mg2.34600.7537351.592
ナイアシンmg11.94000.85423311.086
ピリドキシンmg0.73800.09547310.643
葉酸mg0.04450.013567230.031
ビタミンB12mg0.00020.001758715-0.002
コリンmg83.240085.4233-2.183

改善3|たんぱく源にレバーを追加

鶏むね肉を70gに減らして、鶏レバーを20g追加します。レバー類はビタミンAなどが豊富で、この変更だけで足りない栄養素が13から9に減りました。

ミニトマト20g、にんじん30g、かぼちゃ40g、鶏むね肉の皮つき70g、鶏レバー20g、炊いた白米90gで栄養計算すると以下の通りです。

栄養素単位食材の栄養栄養基準(最小値)不足分
粗タンパク質g23.530011.27497512.255
アルギニンg1.53420.32071041.213
ヒスチジンg1.02540.12026640.905
イソロイシンg1.06370.238027250.826
ロイシンg1.82800.42594351.402
リジンg1.81120.39587691.415
メチオニンg0.60430.207960650.396
メチオニン+シスチンg0.90960.408404650.501
フェニルアラニンg0.96920.283127150.686
フェニルアラニン+チロシンg1.79390.463526751.330
トレオニンg1.07840.3006660.778
トリプトファンg0.30150.1002220.201
バリンg1.15920.308182650.851
粗脂肪g2.42003.457659-1.038
リノール酸g0.34390.701554-0.358
カルシウムg0.02610.31319375-0.287
リンg0.27740.2505550.027
カルシウム:リン比1:1~2:10.94:11:1カルシウム不足
カリウムg0.67110.37583250.295
ナトリウムg0.05900.0501110.009
塩素g0.09090.07516650.016
マグネシウムg0.04600.037583250.008
mg2.40002.50555-0.106
mg0.22300.45851565-0.236
マンガンmg0.47900.313193750.166
亜鉛mg1.91005.0111-3.101
ヨウ素mg0.00100.06263875-0.062
セレンmg0.02480.02004440.005
ビタミンAIU9354.3333313.193759041.140
ビタミンDIU4.400031.319375-26.919
ビタミンEIU3.20353.13193750.072
チアミンmg0.22700.14031080.087
リボフラビンmg0.50600.32572150.180
パントテン酸mg3.96200.7516653.210
ナイアシンmg10.44000.8518879.588
ピリドキシンmg0.74000.09521090.645
葉酸mg0.30190.013529970.288
ビタミンB12mg0.00890.0017538850.007
コリンmg105.620085.188720.431

改善4|たんぱく源に卵を追加

鶏むね肉を50gにへらして、ゆで卵を30g追加します。卵は全体的に栄養が豊富ですが、手作り犬ごはんではビタミンDやコリンの補強として活用しています。この変更で足りない栄養素が9から7に減りました。

ミニトマト20g、にんじん30g、かぼちゃ40g、鶏むね肉の皮つき50g、鶏レバー20g、、ゆで卵30g、炊いた白米90gで栄養計算すると以下の通りです。

栄養素単位食材の栄養栄養基準(最小値)不足分
粗タンパク質g22.620012.19072510.429
アルギニンg1.48020.34675841.133
ヒスチジンg0.89040.13003440.760
イソロイシンg1.04470.257359750.787
ロイシンg1.79800.46053851.337
リジンg1.68720.42802991.259
メチオニンg0.60730.224851150.382
メチオニン+シスチンg0.94460.441575150.503
フェニルアラニンg0.99220.306122650.686
フェニルアラニン+チロシンg1.83090.501174251.330
トレオニンg1.05040.3250860.725
トリプトファンg0.30050.1083620.192
バリンg1.19120.333213150.858
粗脂肪g5.16003.7384891.422
リノール酸g0.58990.758534-0.169
カルシウムg0.03940.33863125-0.299
リンg0.28440.2709050.013
カルシウム:リン比1:1~2:10.13:11:1カルシウム不足
カリウムg0.63610.40635750.230
ナトリウムg0.09200.0541810.038
塩素g0.14170.08127150.060
マグネシウムg0.04350.040635750.003
mg2.79002.709050.081
mg0.23400.49575615-0.262
マンガンmg0.48400.338631250.145
亜鉛mg2.10005.4181-3.318
ヨウ素mg0.00700.06772625-0.061
セレンmg0.02890.02167240.007
ビタミンAIU9508.3333338.631259169.702
ビタミンDIU33.600033.863125-0.263
ビタミンEIU3.65053.38631250.264
チアミンmg0.22500.15170680.073
リボフラビンmg0.58000.35217650.228
パントテン酸mg3.93200.8127153.119
ナイアシンmg8.07000.9210777.149
ピリドキシンmg0.63900.10294390.536
葉酸mg0.31370.014628870.299
ビタミンB12mg0.00920.0018963350.007
コリンmg159.400092.107767.292

改善5|ゴマと乾物類を追加と改善6|炭水化物の調整

ゴマと乾物類を活用します。今回はミネラルなどの補強を目的にすりごま2グラム、乾しひじき2グラム、煮干し4グラムを追加します。これで足りない栄養は5項目です。また、脂質が低かったので炭水化物の量を減らして調整します。今回は白米を60gに減らしました。

ミニトマト20g、にんじん30g、かぼちゃ40g、鶏むね肉の皮つき50g、鶏レバー20g、、ゆで卵30g、炊いた白米60g、すりごま2g、乾しひじき2g、煮干し4gで栄養計算すると以下の通りです。

栄養素単位食材の栄養栄養基準(最小値)不足分
粗タンパク質g25.040011.43058513.609
アルギニンg1.63480.325136641.310
ヒスチジンg1.01990.121926240.898
イソロイシンg1.15920.241312350.918
ロイシンg1.98400.43182211.552
リジンg1.91160.401340541.510
メチオニンg0.68720.210830790.476
メチオニン+シスチンg1.04670.414041190.633
フェニルアラニンg1.08900.287034690.802
フェニルアラニン+チロシンg2.00570.469924051.536
トレオニンg1.17490.30481560.870
トリプトファンg0.32860.10160520.227
バリンg1.31820.312435991.006
粗脂肪g6.46603.50537942.961
リノール酸g1.00870.71123640.297
カルシウムg0.17050.31751625-0.147
リンg0.34730.2540130.093
カルシウム:リン比1:1~2:10.49:11:1カルシウム不足
カリウムg0.81160.38101950.431
ナトリウムg0.19570.05080260.145
塩素g0.30140.07620390.225
マグネシウムg0.07060.038101950.032
mg3.80202.540131.262
mg0.25600.46484379-0.209
マンガンmg0.44580.317516250.128
亜鉛mg2.34605.08026-2.734
ヨウ素mg0.90700.063503250.843
セレンmg0.02930.020321040.009
ビタミンAIU9508.3333317.516259190.817
ビタミンDIU62.400031.75162530.648
ビタミンEIU3.85613.17516250.681
チアミンmg0.23460.142247280.092
リボフラビンmg0.59400.33021690.264
パントテン酸mg3.94560.7620393.184
ナイアシンmg8.83200.86364427.968
ピリドキシンmg0.65700.096524940.560
葉酸mg0.32060.0137167020.307
ビタミンB12mg0.01080.0017780910.009
コリンmg159.282086.3644272.918

ちなみに鶏レバーを牛レバーに変えると銅も栄養基準を超えるので、足りない栄養は3項目まで減らせます。

参考までに、4キロの避妊・去勢済みが必要となるカロリーで食材量を計算すると、ミニトマト25.4g、にんじん38.1g、かぼちゃ50.8g、鶏むね肉の皮つき63.5g、鶏レバー25.4g、、ゆで卵38.1g、炊いた白米76.1g、すりごま2.5g、乾しひじき2.5g、煮干し5.gとなります。

lilya編集部
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