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犬の呼吸が早い・荒い・苦しそう、息切れ、呼吸が激しい時に考えられる原因や病気は?

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今回は、愛犬の呼吸が早い・荒い・苦しそうなど違和感を感じる時に考えられる原因や病気についてまとめました。

正常な犬の呼吸とは?

まず、前提として正常な犬の呼吸から解説していきたいと思いますが、犬種や年齢によって変わるものの1分間に約10〜30回の範囲が正常と言われています。目安としては小型犬では1分間に20〜30回前後、大型犬では15回程度と、小型犬の方が多くなる傾向にあります。

呼吸数は胸やお腹が上下する動きを1回の呼吸として数えます。1分間まるまる数える必要はなく、10秒数えて6倍するか、15秒数えて4倍してください。呼吸数は運動直後や興奮時に一時的に増加するため、落ち着いた状態で測定することが大切です。

呼吸がおかしい、動悸が激しい時に考えられる原因

運動後の酸素不足

運動時には大量の酸素を消費するため、消費分を補うために息が荒くなります。一時的なものなので、安静にして呼吸を落ち着かせてあげてください。

暑さ・熱中症

犬は人間のように汗で体温調節をすることがないため、呼吸で体温調節をします。正常な呼吸よりも早くて浅い呼吸を「パンティング」と言いますが、パンティングは生理現象なので安静にしていれば落ち着きます。ただし、パンティングが長引き、よだれを流したりぐったりしている、横たわって動かない、嘔吐・下痢の症状がある、といった時は熱中症が疑われるため動物病院に早めに連れて行ってください。

精神的ストレス

興奮時や、恐怖、緊張、不安などの時も呼吸が荒くなる時があります。これは交感神経が優位になることがおこりますが、時間が立ったり、原因となるものがなくなれば収まります。

短頭種の犬の特徴

パグ、フレンチブルドッグ、チワワなど鼻の穴や気管が狭い短頭種は呼吸が多い傾向にあり、特に興奮時は口呼吸が多くなる傾向にあります。正常な状態の呼吸数を把握しておき、それよりも多い呼吸が長く続いているか確認して下さい。

喉や気道の異常

おもちゃなどの異物が喉や食道に詰まると呼吸ができず、苦しくなって呼吸が早まります。周りにあったおもちゃや置いてあったものなどがなくなっていないか確認して下さい。

痛み

骨折や腹部疾患など強い痛みがある時も、呼吸が浅く早くなります。痛みでストレスがかかった状態のため、基本的に安静にしてとりあえず獣医師の診察を受け、痛みの原因に対処することが必要です。

心臓や呼吸器の病気

安静時も正常ではない呼吸が続く場合、呼吸器や心臓に異常があり、酸素を取り込めなくなっている可能性があります。放置すれば命に関わるため、安静時も早い呼吸が継続する場合は早めに動物病院に行く必要があります。

貧血

酸素を届ける役割のある赤血球が不足すると酸素不足になり、呼吸が荒くなります。

中毒

たまねぎなど、中毒症状をおこすものを食べてしまった場合も症状の一つとして呼吸が荒くなることがあります。

肥満

体重が多いと一度に取り入れることのできる酸素の量が適正体重の犬と比べて少なく、加えて空気の通り道がふさがってしまうことがあります。

加齢による息切れ(シニア犬の呼吸が荒い時)

年齢を重ねると心肺機能をはじめとして、体の機能が低下してきます。そのため、若いころと比較して息切れしやすくなることは正常な生理現象です。

こんな場合は要注意!危険なサイン

安静時の口呼吸や浅くて速い呼吸

安静時も正常な呼吸数を超えていたり、口を開けて呼吸をしている場合は要注意です。心臓や呼吸器系の病気が疑われます。

呼吸時の異常音

「ヒューヒュー」、「ゼーゼー」など通常とは異なる呼吸音が聞こえると気管や気道が狭くなっている合図です。

鼻翼の開きが大きい

呼吸が苦しく、より多くの酸素を取り込もうとしている時のサインです。

頻繁な腹式呼吸

肺呼吸だけでは十分な酸素を取り込めないため腹部の筋肉を使って呼吸している状態です。呼吸器に問題があることが多い時にすることが多い症状です。

歯肉や舌が青白いまたは青紫(チアノーゼ)

チアノーゼは酸素が十分に体にいきわたっていない時に現れる症状で、非常に危険ななため緊急対応が必要です。

横たわったまま呼吸している

横たわったまま動かずに呼吸している場合、呼吸が苦しくなっている可能性があり、低酸素状態で意識が朦朧としていることが考えられます。

上記に当てはまる場合は緊急度が高い場合が多いため、早めに動物病院を受診する必要があります。

呼吸が荒い時に考えられる病気

僧帽弁閉鎖不全症(そうぼうべんへいさふぜんしょう)

心臓病の一種で、運動したり興奮すると咳が出はじめ、悪化すると呼吸困難になります。

気管脱虚(きかんきょだつ)

気管が潰れ、呼吸困難になる病気です。呼吸が荒くなり、乾いた咳が出ることもあります。先天的に気管の軟骨が弱かったり、肥満や加齢で気管周囲の筋肉が弱まると発症します。

肺水腫(すいしゅ)

心臓病などで肺に水が溜まり、肺機能が低下する病気です。進行すると咳や呼吸困難が悪化し、口を開けて前足を突っ張ったような姿勢をとります。

気管支炎(きかんしえん)

気管に炎症がおきる病気です。咳や食欲不振、元気消失などの症状があります。

自宅でできる対処法

緊急性のある症状が出ている時は迷わずに動物病院に連れていくことが前提ですが、一時的に呼吸が荒い時は以下のように対処してください。

楽な姿勢で安静にする

愛犬が自分で楽に呼吸できる姿勢にしてあげます。この時、犬がとっている姿勢を崩したり、抱きかかえるのは逆効果です。犬自身が楽な姿勢をとろうとしているため、そっとしておくことが重要です。

室温や湿度の調整

犬は呼吸で体温調節をするため、室温が高いと呼吸が早くなります。室温は23~25度、湿度は50%程度に保つようにしてください。室温が高くて呼吸が早くなっている時は水分補給も忘れないようにしてください。

食事で気をつけたいこと

心臓病など個別の病気の場合は獣医師の指示にしたがって個別の対処をしてください(参考:犬の心臓病を解説)。日常的に気を付けたいこととしては、肥満は呼吸器や心臓に負担をかけるため、適正体重を心がける必要があります。

まとめ

呼吸の異常に気付くためには、まず正常な呼吸を把握することからはじめることが重要です。また、呼吸の異常は危険性が高いことから、異常が認められたらすぐに動物病院に連れて行ってあげてください。一時的に呼吸が早くなることは生理現象なので心配はいりませんが、安静にするなど呼吸が落ち着くようにしてあげてください。

lilya編集部
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